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北陸新幹線の終着駅で、夫がまず叫んだのは「鼓門すごい」だった
東京から北陸新幹線「かがやき」で2時間半。金沢駅の改札を出た瞬間、目の前に現れるのが「鼓門」。高さ14m、金沢の伝統芸能「能」で使われる鼓をモチーフにした巨大な木造門で、これがもう駅前のランドマーク。初めて見る人がほぼ全員スマホを取り出す場所。わたしたちも例外じゃなかった。
金沢は加賀百万石の城下町で、兼六園・ひがし茶屋街・21世紀美術館という三本柱が有名。「小京都」と言われる街並みと、現代アートの最先端が同居している不思議な場所。わたしたちは1泊2日で金沢をぐるっと回ってきて、予想以上に濃密な旅になった。結論から言うと、1泊2日だとちょっと足りない。2泊3日が理想だと思う。
こんなふたりにおすすめ:
- 街歩きとアートと食を同時に楽しみたい
- 新幹線で東京から気軽に行ける週末旅を探している
- 兼六園、21世紀美術館、ひがし茶屋街がまだ未訪
- 海鮮と加賀料理、両方食べたい
1日目:アートと茶屋街の金沢
10:00 金沢駅——鼓門と「おもてなしドーム」
金沢駅の東口に出ると、目の前に鼓門(つづみもん)。鼓門の奥には、ガラスとアルミでできた「おもてなしドーム」が広がっている。和と洋、伝統と現代が一枚の絵になっている不思議な空間で、ここで5分くらい写真を撮るのは旅のお約束。
わたしたちはここで「さて、どこから行こうか」と地図を広げた。金沢は観光スポットが駅から少し離れた場所に固まっていて、徒歩だと結構歩く。バスが1日フリーパス(600円・2026年時点)で乗り放題なので、これを1日目の朝に買うのがおすすめ。北鉄バスの「金沢駅前」バス停から、各観光スポットへ一発で行ける。
10:30 近江町市場——金沢の台所で海鮮丼ブランチ
金沢駅から徒歩15分、またはバスで5分で到着するのが「近江町市場」。江戸時代から続く金沢の台所で、鮮魚店、海鮮丼店、フルーツ店、お惣菜屋がびっしり並んでいる。
わたしたちは市場内の「山さん寿司 本店」で海鮮丼をブランチ代わりに食べた。「山さん海鮮丼」2,500円前後(時価・2026年時点)は、金沢名物ののどぐろ、甘エビ、ホタルイカ、白えびなどが山盛りになった贅沢な一杯。甘エビの甘みが、東京で食べる甘エビとは別物だった。
夫は「白えびが初体験だったけど、これ、富山の名物じゃなかったっけ?」と言いつつ、にこにこしながら食べていた。そう、石川・富山・福井の三県は海産物がぐるっと繋がっていて、どこでも新鮮な近海魚が食べられる。これが北陸旅の醍醐味。
12:00 金沢21世紀美術館——スイミング・プールは噂通り
お腹を満たしたら、バスで5分ほど移動して「金沢21世紀美術館」へ。2004年開業の現代美術館で、円形のガラス張りの建物が特徴的。観覧料は展覧会ゾーン一般1,200円前後(企画による・2026年時点)、交流ゾーンは無料。
有名な作品は、アルゼンチン出身アーティスト レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」。水面越しに下から人を見上げる・水面の上から水中の人を見下ろすという仕掛けで、写真で見たことがある人も多いはず。実際に見ると、写真より臨場感があって、わたしも夫も順番にプールの中に入って写真を撮り合った。
21世紀美術館は企画展が季節ごとに入れ替わるので、行く時期によって体験がまったく違う。わたしたちが行ったときは、北陸の工芸とアートを融合させた企画展をやっていて、金沢らしい展示だった。
14:00 兼六園——日本三名園のひとつ
21世紀美術館から徒歩5分で、兼六園。日本三名園(水戸偕楽園・岡山後楽園・金沢兼六園)のひとつで、加賀藩が270年かけて作り上げた大名庭園。入園料は大人320円(2026年時点)で、広大な庭園をぐるっと1周するのに1時間〜1時間半。
兼六園の見どころは、季節ごとに全然違う。春は桜、初夏は新緑、秋は紅葉、冬は「雪吊り」(樹木が雪の重みで折れないように縄で吊る)という景観。わたしたちが行ったのは初秋で、ちょうど紅葉の始まりかけの時期。池の水面に木々の影が映り、風が吹くと葉が揺れて、水面にさざ波が立つ。
園内で一番印象的だったのは「霞ヶ池」と「徽軫灯籠(ことじとうろう)」。兼六園の象徴的な風景で、ここで立ち止まって写真を撮っている人が途切れない。夫は「この灯籠、足が2本あるけど長さが違うね」と細かいところに気づいていた(実は片足が短いのが特徴)。
15:30 ひがし茶屋街——江戸時代の花街の面影
兼六園から徒歩15分、もしくはバスで10分で「ひがし茶屋街」。江戸時代に加賀藩が許可した花街で、当時の茶屋建築がそのまま残されていて、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
細い石畳の通りの両側に、朱色の格子戸のお茶屋さんが並ぶ。いま営業しているお茶屋さんもあれば、カフェやショップとしてリノベされている建物もある。わたしたちは「金箔屋さくだ」で金箔ソフトクリーム(930円・2026年時点)を食べた。ソフトクリームの上に金箔が1枚まるごとのっていて、見た目のインパクトがすごい。味は普通のソフトクリーム+うっすら金属感。
夫は「金箔、特別な味はしないね」と至極真面目な感想を述べていた。わたしもそう思った。でもこれは体験。金沢で金箔ソフトを食べるというイベント性が、味の8割を占めている。
17:00 ホテルチェックイン——夕食まで小休憩
ひがし茶屋街から歩いて10分ほどで金沢駅や片町エリアに戻れる。わたしたちは片町エリアの「OMO5金沢片町」にチェックインした。繁華街ど真ん中の立地で、夜の食べ歩きに最適。荷物を置いてシャワーを浴びて、夕食まで1時間ほど部屋でくつろぐ。
18:30 片町で金沢グルメ——居酒屋いたる
夜は片町の有名店「居酒屋いたる」へ。加賀料理と郷土料理をリーズナブルに楽しめる名店で、予約必須。わたしたちは旅の1週間前に予約した。
注文したのは刺身盛り合わせ(1人前2,500円前後)、治部煮(1,200円前後)、加賀野菜の天ぷら、のどぐろの塩焼き(時価・3,000円前後)。全部金沢らしい品揃えで、特に治部煮は初体験だった夫が「これはうまい!」と感動していた。治部煮は、鶏肉や生麩を醤油と砂糖で煮た加賀の郷土料理で、とろみのある甘辛い汁が特徴。冬の金沢を温める一皿。
のどぐろの塩焼きは、脂がのっていて皮がパリッとしていて、魚自体が旨い。お会計は2人でビール・日本酒込みで12,000円ほど。金沢の夜としては標準的な予算感だった。
2日目:庭園と工芸と寿司ランチ
8:30 ホテル朝食
OMO5金沢片町の朝食は、加賀の食材を使った和朝食。郷土料理の「蓮蒸し」や、治部煮のミニサイズも登場する。ホテル朝食としては凝っていて、これだけでも金沢らしさが味わえる。夫は「朝からご飯2杯食べた」と満足そうだった。
9:30 武家屋敷跡 野村家——美しい庭園と茶室
2日目の最初は長町武家屋敷跡にある「野村家」。加賀藩の中級武士の屋敷で、邸内の庭園が特に美しい。入場料は大人550円(2026年時点)。屋敷の部屋から見下ろす庭には、鯉の泳ぐ池、石組み、苔むした木々が配置されていて、日本庭園の美しさがコンパクトに詰まっている。
部屋の縁側に座って庭を眺めていると、時間の流れがゆっくりになる。観光地にしては混雑していなくて、10分くらい誰もいない状態で庭を独占できた。これは本当に贅沢な時間だった。
10:30 にし茶屋街——ひがしより静かで趣がある
野村家から徒歩15分ほどで「にし茶屋街」。ひがし茶屋街と比べて規模は小さいけれど、観光客が少なく、静かな風情を楽しめる穴場。朱色の格子戸は同じだけれど、こちらの方が「日常の金沢」に近い。
途中の「甘納豆 かわむら」は、全国的にも有名な甘納豆の専門店。季節のフルーツを使った甘納豆が並ぶショーケースに心を奪われて、わたしたちはお土産に数種類購入した。栗、金時豆、うずら豆など、どれも上品な甘さで、家に帰ってお茶と一緒にゆっくり食べるのが楽しみ。
11:30 金沢まいもん寿司——のどぐろ炙りランチ
お昼は「金沢まいもん寿司」(片町か近江町市場の支店)で。回転寿司スタイルながら、金沢の海の幸をしっかり味わえる人気店。観光客も地元客も多くて、11時のオープン直後に入るのが鉄則。
のどぐろ炙り(2貫500円前後・時価)、白えび軍艦(300円前後)、甘エビ(280円前後)など、金沢ならではのネタを中心に注文。のどぐろ炙りは脂の甘みがすごくて、「あ、これはお店のディナーコースで出てきてもおかしくない」というレベル。回転寿司のネタの限界を突破していた。
お会計は2人で4,500円ほど。コース料理じゃなくて、好きなネタを選んで食べるスタイルの方が、金沢の海の幸を自分の好きな順番で満喫できておすすめ。
13:00 金沢駅「あんと」でお土産
金沢駅直結の土産店街「あんと」は、金沢お土産ワンストップの聖地。加賀棒茶、金箔のお菓子、きんつば、治部煮の素、加賀野菜のお漬物など、金沢土産はここで全部揃う。
わたしたちが毎回買うのは:
- 中田屋のきんつば——あんがぎっしり詰まった金沢名物の定番
- 丸八製茶場の加賀棒茶——ほうじ茶の香ばしさが別格
- 越山甘清堂のきんつばと落雁——上品な甘さ
- 箔一の金箔のお菓子——見た目のインパクトで職場に喜ばれる
夫が「毎回同じ土産買うの、なんかルーティンだね」と言っていたけれど、確実に美味しいものを選ぶのが金沢リピーターのルール。
14:00 北陸新幹線で東京へ
「かがやき」で東京まで2時間半。1泊2日の金沢旅は、ここで終了。
金沢の6大エリアガイド——次回のために整理
| エリア | 特徴 | 主なスポット | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 近江町市場 | 金沢の台所。食べ歩き天国 | 海鮮丼、甘エビ、コロッケ | 1〜2時間 |
| 兼六園・金沢城 | 金沢の象徴 | 兼六園、金沢城公園、成巽閣 | 1.5〜2時間 |
| ひがし茶屋街 | 江戸時代の花街の面影 | 金箔体験、加賀棒茶カフェ | 1〜1.5時間 |
| 21世紀美術館周辺 | 現代アートの聖地 | 21美、鈴木大拙館 | 2〜3時間 |
| 長町武家屋敷跡 | 加賀藩士の暮らしを偲ぶ | 野村家、足軽資料館 | 1時間 |
| にし茶屋街 | 静かな穴場茶屋街 | 甘納豆かわむら、忍者寺 | 1時間 |
金沢のホテル——わたしたちが選んだ4軒
| ホテル名 | 料金目安 | 系列 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ハイアットセントリック金沢 | 20,000円〜 | ハイアット | 金沢駅至近のモダンホテル |
| OMO5金沢片町 | 12,000円〜 | 星野 | 片町の繁華街ど真ん中 |
| 金沢 彩の庭ホテル | 15,000円〜 | 独立 | 庭園が美しい和モダンホテル |
| ANAクラウンプラザ金沢 | 12,000円〜 | IHG | 兼六園至近のIHG系 |
わたしたちが今回泊まった「OMO5金沢片町」は、夜の食べ歩きには最強立地。次回は「ハイアットセントリック金沢」に泊まって、金沢駅からのアクセスを試してみたい。ハイアットは朝食ブッフェの評判が良くて、ポイント宿泊もできるので気になっている1軒。
金沢グルメガイド——わたしたちが食べたもの
| ジャンル | 名店 | 予算 | わたしたちの注文 |
|---|---|---|---|
| 寿司 | 金沢まいもん寿司 | 3,000円 | のどぐろ炙り |
| 海鮮丼 | 近江町市場 山さん | 2,500円 | 山さん海鮮丼 |
| 加賀料理 | 居酒屋いたる | 5,000円 | 治部煮・刺身盛り・のどぐろ塩焼き |
| 和スイーツ | 甘納豆かわむら | 500円 | 季節の甘納豆5種 |
| 金箔スイーツ | 金箔屋さくだ | 930円 | 金箔ソフトクリーム |
気になったところ
- 1泊2日はちょっと足りない。21世紀美術館に2〜3時間、兼六園に1.5時間、茶屋街に2箇所、武家屋敷、食事、お土産——やりたいことを全部やろうとすると、確実に時間が足りなくなる。2泊3日なら余裕を持って回れる。
- 夏は意外に蒸し暑い。北陸というイメージからか涼しいと思いがちだけれど、金沢の夏はかなり蒸し暑い。観光するなら春か秋がおすすめ。
- バス路線が複雑。観光バスはわかりやすいけれど、通常路線の北鉄バスは乗り換えがやや複雑。Googleマップを見ながら動くのがベター。
- 金箔ソフト、1回でいい。経験としては良いけれど、2回目の感動は薄い。甘納豆や和菓子の方が、個人的には繰り返し食べたくなる。
わたしたちが学んだこと
金沢は「日本の美が凝縮された小さな街」という言葉がしっくりくる。兼六園の伝統美、21世紀美術館の現代性、茶屋街の風情、武家屋敷の静けさ——これらが直径2km以内のエリアに全部詰まっている。歩いても歩いても何かしら新しいものが出てくる密度の濃さに、たぶん何度訪れても飽きない街。
夫が帰りの新幹線で「金沢、もう一度来たい」と言った。それも「今度は3泊4日くらいで」と。たぶんわたしたちは次の金沢も計画することになる。能登まで足を延ばしたり、のどぐろの専門コース料理を予約したり、金沢21世紀美術館の企画展を時期を選んで見たり。やりたいことが次々と浮かんでくる街、それが金沢だった。
よくある質問(FAQ)
金沢のベストシーズンは?
春(4月)の兼六園の桜、秋(11月)の紅葉が美しいです。冬(12〜2月)は雪吊りの兼六園と加能ガニが楽しめる季節。夏は蒸し暑いのでやや不向き。わたしたちは初秋(9月下旬〜10月上旬)が一番バランスが良いと思います。
金沢は1泊2日で回れる?
主要スポット(兼六園・21世紀美術館・ひがし茶屋街・近江町市場)は1泊2日でも回れます。ただし、ゆっくり楽しむなら2泊3日が理想。美術館の企画展や能登への足を延ばしたい場合は、さらに日数が必要です。
バスと徒歩、どちらがいい?
金沢は主要スポットの距離が徒歩15〜20分ほど離れているので、1日乗り放題バス(600円)を買うのがおすすめ。特に兼六園↔ひがし茶屋街の移動はバスが楽です。ただし街歩きのついでに路地を歩くのも金沢の楽しみなので、半分バス・半分徒歩くらいの配分がベスト。
まとめ:伝統と革新が出会う加賀百万石の街
金沢は小さな街に日本の美が凝縮されている。兼六園の四季、21世紀美術館の現代アート、茶屋街の風情、武家屋敷の静けさ、そして極上の海鮮——1泊2日では物足りないくらい、次も行きたい理由がたくさんある街だった。
東京から新幹線で2時間半。週末金曜の夜に出発すれば土日で十分楽しめる距離感で、それなのに旅の濃度は遠方旅行級。日本でも屈指の「週末旅に向いた街」だと、わたしたちは金沢を推しています。

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