※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。掲載情報はわたしたち夫婦の体験と執筆時点のものです。
5月の嵐山は、秋とはまったく別の顔をしていた。
紅葉のシーズンには何度か足を運んだことがある。でも新緑の時期はずっと後回しにしていた。「どうせ紅葉がいちばん綺麗でしょ」と夫が言うので、わたしもそうだろうなと思っていた。
結論から言うと、完全に見くびっていた。竹林に差し込む光、苔むした庭の匂い、渡月橋から見上げる山の濃淡。新緑の嵐山は、紅葉とはまるで違う感動があった。
こんなふたりにおすすめ:
- 混雑を避けて京都を楽しみたい
- 自然の中をのんびり歩くのが好き
- 秋の嵐山は行ったけど、初夏はまだという方
今回のモデルコース|全体像
わたしたちが実際に歩いたルートはこちら。朝9時ごろに嵐山に着いて、夕方16時すぎまで。ランチとカフェ休憩を入れて、約7時間の散策だった。
| 時間 | スポット | 滞在時間 |
|---|---|---|
| 9:00 | JR嵯峨嵐山駅 到着 | – |
| 9:15 | 竹林の小径 | 約30分 |
| 10:00 | 野宮神社 | 約20分 |
| 10:30 | 天龍寺 | 約60分 |
| 11:45 | ランチ(嵯峨とうふ 稲) | 約60分 |
| 13:00 | 渡月橋 〜 中之島公園 | 約30分 |
| 13:40 | 大河内山荘庭園 | 約40分 |
| 14:30 | 常寂光寺 | 約40分 |
| 15:20 | カフェ休憩(アラビカ京都 嵐山) | 約30分 |
| 16:00 | 嵐山駅周辺を散策して帰路へ | – |
移動はすべて徒歩。嵐山エリアはコンパクトにまとまっているので、歩いて回るのがいちばん効率がいい。
9:15|竹林の小径 ── 朝いちばんの静けさを味わう
嵐山に来たら、まずはここ。JR嵯峨嵐山駅から北へ10分ほど歩くと、竹林の小径の入口が見えてくる。
朝9時すぎの竹林は、想像していたより静かだった。もちろん人はいる。でも紅葉シーズンとは比べものにならないくらい、余裕をもって歩ける。
見上げると、竹の葉のあいだから光が漏れている。風が吹くたびに、さらさらと乾いた音がする。夫が「なんか竹の匂いするね」と言った。青くてすこし甘い、あの独特な香り。新緑の時期は、竹の匂いがいっそう濃い気がした。
長さは約400メートル。急がなければ15分くらいで歩ける。ただ、途中で何度も立ち止まってしまう。見上げるたびに、光の入り方が変わるから。
わたしたちは片道を歩いてから引き返した。行きと帰りで光の角度が違うので、同じ道なのに景色が変わる。夫は写真を撮りまくっていた。「スマホの画面じゃ伝わらないんだよな」と言いながら、結局30枚くらい撮っていた。
竹林の小径で気になったところ
ひとつだけ。朝いちばんはいいけれど、10時を過ぎるとかなり混み始める。とくに週末は、団体のツアー客が増える時間帯がある。静かに歩きたいなら、朝9時台がおすすめ。わたしたちも到着時間をもう少し早めてもよかったかもしれない。
竹林の小径 基本情報
| 場所 | 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町 |
|---|---|
| 料金 | 無料 |
| 所要時間 | 片道15〜20分 |
| アクセス | JR嵯峨嵐山駅から徒歩約10分 |
10:00|野宮神社 ── 苔の絨毯と木漏れ日の境内
竹林の小径を歩いていると、途中に野宮神社の入口がある。ふらっと寄れる立地がありがたい。
この神社、縁結びの神さまとして有名らしい。わたしたちはすでに夫婦だけれど、「これからも仲良くってことでいいんじゃない」と夫が言うので、ふたりでお参りした。
境内は思ったよりもこぢんまりしている。でも、じゅうたん苔と呼ばれる一面の苔が本当に美しかった。濃い緑がびっしりと地面を覆っていて、そのうえに木漏れ日が落ちている。しっとりとした空気が心地いい。
黒木鳥居も見どころ。樹皮がついたままの原木で作られた鳥居で、日本でも珍しい形式なのだそう。質素だけれど、どこか凛とした雰囲気がある。
おみくじを引いたら、夫は「吉」、わたしは「大吉」。「夫婦で合わせたらちょうどいいね」と笑い合った。
野宮神社 基本情報
| 住所 | 京都市右京区嵯峨野宮町1 |
|---|---|
| 参拝時間 | 9:00〜17:00 |
| 料金 | 無料 |
| アクセス | 竹林の小径の途中 |
10:30|天龍寺 ── 曹源池庭園の新緑に息をのむ
野宮神社から南に5分ほど歩くと、天龍寺に着く。世界遺産にも登録されている、嵐山を代表するお寺。
正直なところ、「有名なお寺だし、まあ見ておこう」くらいの気持ちだった。でも曹源池庭園に出た瞬間、ふたりとも黙った。
池の向こうに嵐山の稜線が見える。庭園の木々も、借景の山も、ぜんぶ新緑。緑のグラデーションが何層にも重なっていて、こんなに「緑」にバリエーションがあるのかと驚いた。
夫が「秋もいいけど、これはこれで全然いいな」とつぶやいた。普段あまり感動を言葉にしない人なので、それだけで来た甲斐があったと思う。
庭園をゆっくり一周して、途中のベンチに座った。ここに座って庭を眺めているだけで、30分くらいあっという間に過ぎる。風が吹くと、木々がさらさらと揺れる。その音を聞いているだけで、なんだか体の力が抜けていく。
本堂の中から庭を眺めるのもいい。畳に座って、額縁のように切り取られた庭園を見る。まるで生きた掛け軸のようだった。
天龍寺のおすすめポイント
- 曹源池庭園は、どの角度から見ても絵になる
- 新緑の時期は、借景の嵐山が鮮やかなグリーンに染まる
- 本堂と庭園の両方を見るなら、セット券がお得
天龍寺で気になったところ
庭園だけなら500円、本堂も含めるとプラス300円。合計800円。これを高いと感じるかは人それぞれだけど、わたしたちはセット券にして正解だった。本堂内部からの庭園の眺めは、外から見るのとはまた違った味わいがある。
あと、靴を脱いで上がる場所があるので、脱ぎ履きしやすい靴で来たほうがいい。夫が紐靴で来ていて、ちょっと面倒そうだった。
天龍寺 基本情報
| 住所 | 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 |
|---|---|
| 拝観時間 | 8:30〜17:00 |
| 拝観料 | 庭園 500円 / 本堂参拝 +300円 |
| アクセス | 嵐電嵐山駅すぐ / JR嵯峨嵐山駅から徒歩13分 |
11:45|ランチ:嵯峨とうふ 稲 ── 湯豆腐で京都らしいひと休み
天龍寺を出て、渡月橋方面へ向かう途中にある「嵯峨とうふ 稲」。嵐山で湯豆腐を食べるなら、ここは外せない。
お店に入ると、まず木の温もりが目に入る。和の空間だけど堅苦しくなくて、肩の力を抜いて過ごせる雰囲気。窓の外には緑が広がっていて、この景色だけでもごちそうだった。
わたしたちは湯豆腐膳を注文した。お豆腐は、すくうとぷるんと揺れるくらいやわらかい。口に入れると、とろっと崩れて大豆の甘みがじんわり広がる。出汁もやさしい味で、歩き疲れた体にしみた。
夫は湯豆腐のほかに、生ゆば刺しも頼んでいた。「これだけでビール飲みたい」と言っていたけど、午後もまだ歩くのでさすがに我慢。お茶で乾杯した。
お値段は湯豆腐膳でひとり1,500円前後。嵐山の観光地価格としては、良心的なほうだと思う。
嵯峨とうふ 稲で気になったところ
お昼どきは混む。わたしたちは11時45分ごろに入って、ぎりぎり待たずに座れた。12時を過ぎると行列ができていたので、早めに行くか、少し時間をずらすのがいいかもしれない。
嵯峨とうふ 稲 基本情報
| 住所 | 京都市右京区嵯峨天龍寺造路町19 |
|---|---|
| 営業時間 | 11:00〜17:00(L.O. 16:30) |
| 定休日 | 不定休 |
| 予算 | ひとり 1,200〜2,000円 |
| アクセス | 嵐電嵐山駅から徒歩3分 |
13:00|渡月橋 〜 中之島公園 ── 新緑の山を見上げながら
嵐山のシンボル、渡月橋。長さ155メートルの橋を、ゆっくり歩いて渡った。
橋の上から見る景色が、本当にきれいだった。桂川の水面がきらきら光っていて、その向こうに新緑の嵐山がどんと構えている。空の青と山の緑のコントラストが鮮やかで、思わず深呼吸した。
「紅葉の嵐山もいいけど、新緑もぜんぜん負けてないね」とわたしが言ったら、夫が「むしろこっちのほうが好きかも」と返してきた。秋派だったはずなのに。人は変わるものだなと思った。
橋を渡った先にある中之島公園で、すこし休憩。ベンチに座って川の流れを眺めた。鳥の声がして、水の音がして、風が心地いい。観光地のまんなかにいるのに、不思議とのんびりした時間が流れている。
公園には桜の木がたくさんある。春は花見客でにぎわうのだろうけど、新緑の時期は木陰が気持ちいい。ベンチに座っていると、つい長居してしまいそうになる。
渡月橋・中之島公園 基本情報
| 場所 | 京都市右京区嵯峨中ノ島町 |
|---|---|
| 料金 | 無料 |
| 所要時間 | 橋の往復+公園で30分程度 |
| アクセス | 嵐電嵐山駅から徒歩3分 |
13:40|大河内山荘庭園 ── 嵐山の隠れた名園
竹林の小径の北端、少し奥まった場所にある大河内山荘庭園。ここは、嵐山の中でもとくにおすすめしたい場所。
時代劇の名優・大河内傳次郎が30年かけて造り上げた回遊式庭園。入園料1,000円はすこし高く感じるかもしれないけれど、抹茶とお菓子つき。これを知ってから、夫の表情がすこし和らいだ。
庭園に入った瞬間、空気が変わった。しっとりとした苔の香り。ひんやりとした木陰。竹林の小径の延長線上にありながら、ここだけ別世界のように静か。
園路を歩いていくと、京都市内が一望できる展望台に出る。比叡山も見える。ここからの眺めは、嵐山で見た景色のなかでいちばんだった。
夫は展望台で「ここ、穴場じゃない?」と興奮していた。たしかに、竹林の小径にはあれだけ人がいたのに、ここは驚くほど人が少ない。みんな竹林で引き返してしまうのだろう。もったいない。
入園時にもらった抹茶券で、庭園内の休憩所でお茶をいただいた。苔庭を眺めながら飲むお抹茶は、ほろ苦くてまろやかで、歩き疲れた体にちょうどよかった。お菓子は控えめな甘さの落雁。このセットだけで1,000円の元は取れたと思う。
大河内山荘庭園のおすすめポイント
- 嵐山の中でも混雑が少ない穴場
- 入園料に抹茶とお菓子が含まれている
- 展望台からの眺めは必見
- 苔と新緑の組み合わせが美しい
大河内山荘庭園で気になったところ
園路に階段や坂道がけっこうある。歩きやすい靴でないとつらいかもしれない。わたしはスニーカーだったので問題なかったけれど、ヒールのある靴で来ていた方が苦労されていた。あと、展望台までの道は日陰が少ないので、夏場は帽子があると安心。
大河内山荘庭園 基本情報
| 住所 | 京都市右京区嵯峨小倉山田淵山町8 |
|---|---|
| 開園時間 | 9:00〜17:00 |
| 入園料 | 1,000円(抹茶・お菓子つき) |
| アクセス | 竹林の小径北端すぐ |
14:30|常寂光寺 ── 青もみじのトンネルを歩く
大河内山荘庭園から歩いて5分ほど。常寂光寺は、紅葉の名所として有名だけれど、新緑の時期もすばらしい。
山門をくぐると、頭上をもみじの葉が覆いつくしている。秋には真っ赤に染まるその葉が、今はみずみずしい黄緑色。光を透かした青もみじは、まるでステンドグラスのようだった。
参道は石段になっていて、ゆっくり登っていく。両側にもみじ、足元には苔。見上げても見下ろしても緑、緑、緑。夫が「緑酔いしそう」と笑った。たしかに、ここまで緑に囲まれると、ちょっとくらくらする。
多宝塔のあたりまで登ると、嵯峨野を見下ろす眺望が開ける。ここで少し息を整えた。吹き上げてくる風が涼しくて、汗がすっと引いていく。
わたしが特に気に入ったのは、本堂裏手の苔庭。小さなスペースだけれど、ふかふかの苔が一面に広がっていて、その上に木漏れ日がぽつぽつと落ちている。ここだけ時間が止まっているような静けさがあった。
夫は多宝塔の建築に興味津々で、いろんな角度から写真を撮っていた。「こういう古い建物と新緑の組み合わせがいいんだよ」とうれしそうだった。
常寂光寺のおすすめポイント
- 青もみじのトンネルは圧巻
- 多宝塔は国の重要文化財。新緑との相性がいい
- 秋より人が少なく、ゆっくり拝観できる
常寂光寺で気になったところ
参道の石段がけっこう急。足元が濡れていると滑りやすいので、雨のあとは注意が必要。わたしたちが行った日は晴れていたけれど、苔に朝露が残っていて、ところどころ湿っていた。ゆっくり歩けば問題ないけれど、足腰に不安がある方はすこし大変かもしれない。
常寂光寺 基本情報
| 住所 | 京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3 |
|---|---|
| 拝観時間 | 9:00〜17:00(最終受付 16:30) |
| 拝観料 | 500円 |
| アクセス | JR嵯峨嵐山駅から徒歩15分 |
15:20|アラビカ京都 嵐山 ── 川を眺めながらコーヒーで〆
一日歩いた最後は、渡月橋のたもとにあるアラビカ京都 嵐山でコーヒー。「%」のロゴが目印のあのお店。
注文したのは、わたしがカフェラテ、夫はアメリカーノ。豆の香りがふわっと鼻をくすぐる。一口飲むと、すっきりとした苦みのあとにほのかな甘みが広がった。
カップを持って、すぐそばの桂川沿いへ。川面を見ながらコーヒーを飲む、たったそれだけのことが、こんなに贅沢に感じるのは嵐山だからだと思う。
夫は石段に腰かけて、ぼーっと川を眺めていた。「今日、けっこう歩いたね」と言いながら、満足そうな顔をしている。わたしたちにとって、旅の〆はいつもこういう静かな時間。
アラビカ京都 嵐山で気になったところ
人気店なので、並ぶことを覚悟しておいたほうがいい。わたしたちは15時すぎに行って、10分ほど待った。ピーク時間の12〜14時はもっと並ぶことがあるらしい。店内に座席はないので、テイクアウトが基本。川沿いに腰かけられる場所はたくさんあるので、困ることはない。
アラビカ京都 嵐山 基本情報
| 住所 | 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-47 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:00〜18:00 |
| 定休日 | 不定休 |
| 予算 | ひとり 500〜800円 |
| アクセス | 嵐電嵐山駅から徒歩1分 / 渡月橋すぐ |
持ち物・服装アドバイス
新緑の嵐山は、歩きが中心。わたしたちの経験から、あると便利なものをまとめた。
服装
- 歩きやすいスニーカー ── 石段や坂道が多いので必須。サンダルはやめたほうがいい
- 動きやすいパンツスタイル ── スカートでも歩けなくはないけれど、階段が多い
- 薄手の羽織もの ── 5月は日なたと日陰の温度差がある。竹林や苔庭は思ったよりひんやりする
- 帽子 ── 日差しが強い日は必須。とくに渡月橋周辺は日陰が少ない
持ち物
- 水筒やペットボトル ── 途中で買える場所もあるけど、持参しておくと安心
- タオルやハンカチ ── 5月でもけっこう汗をかく
- 小さめのバッグ ── 大きな荷物はロッカーに預けて身軽に歩きたい
- モバイルバッテリー ── 写真を撮りまくると電池が減る。夫の教訓
JR嵯峨嵐山駅や嵐電嵐山駅の周辺にコインロッカーがあるので、大きな荷物は預けるのがおすすめ。わたしたちもリュック1つにまとめて、身軽に歩いた。
予算の目安
今回わたしたちが使った金額をまとめた。交通費は京都市内からの移動分として参考までに。
| 項目 | ひとり | ふたり |
|---|---|---|
| 竹林の小径 | 0円 | 0円 |
| 野宮神社 | 0円 | 0円 |
| 天龍寺(庭園+本堂) | 800円 | 1,600円 |
| ランチ(嵯峨とうふ 稲) | 約1,500円 | 約3,000円 |
| 大河内山荘庭園 | 1,000円 | 2,000円 |
| 常寂光寺 | 500円 | 1,000円 |
| カフェ(アラビカ) | 約600円 | 約1,200円 |
| 合計 | 約4,400円 | 約8,800円 |
ふたりで1万円かからない。拝観料、ランチ、カフェを入れてこの価格。嵐山は、実はそこまでお金をかけなくても十分に楽しめる。
新緑の嵐山を歩いてみて|良かったところ・気になったところ
良かったところ
- 人が少ない ── 紅葉シーズンとは比べものにならない。写真も撮り放題
- 緑の深さに感動する ── 竹林、苔庭、青もみじ、借景の山。全部が新緑で統一されている
- 空気がおいしい ── 竹の匂い、苔の匂い、水の匂い。嵐山は五感で楽しめる場所だと再確認した
- 徒歩で回れる ── バスやタクシーに乗る必要がない。自分たちのペースで歩けるのがいい
- 予算がやさしい ── ふたりで1万円以内。気軽に計画できる
気になったところ
- 階段と坂道が多い ── とくに常寂光寺と大河内山荘庭園。足腰に不安がある方は、無理せずコースを調整したほうがいい
- 昼食の選択肢が限られる ── 嵐山エリアは観光地価格のお店が多い。もうすこしリーズナブルな選択肢がほしいと感じた
- 午後は混む ── 朝は快適だったけど、13時以降はどこも人が増えた。朝イチスタートが正解
季節ごとのおすすめ
今回は5月の新緑シーズンに訪れたけれど、嵐山は四季それぞれに魅力がある。参考までに季節ごとの特徴をまとめた。
| 季節 | 見どころ | 混雑度 |
|---|---|---|
| 春(3〜4月) | 桜と嵐山の組み合わせが華やか | やや混む |
| 初夏(5〜6月) | 新緑・青もみじ・苔が美しい | 比較的空いている |
| 夏(7〜8月) | 川床、保津川下り | 普通 |
| 秋(11〜12月) | 紅葉。嵐山最大の見どころ | 非常に混む |
| 冬(1〜2月) | 花灯路、雪景色(まれ) | 空いている |
わたしたちの個人的なおすすめは、今回歩いた初夏。混雑が少なくて、緑が鮮やかで、気温もちょうどいい。秋の嵐山が好きな方にこそ、新緑の時期を試してほしいと思う。
アクセス情報
嵐山へのアクセスは大きく3つ。
| 路線 | 最寄り駅 | 所要時間(京都駅から) |
|---|---|---|
| JR嵯峨野線 | 嵯峨嵐山駅 | 約16分 / 240円 |
| 嵐電(京福電鉄) | 嵐山駅 | 四条大宮から約24分 / 220円 |
| 阪急電鉄 | 嵐山駅 | 河原町から桂で乗り換え約20分 |
わたしたちはJR嵯峨嵐山駅を使った。京都駅からいちばんアクセスしやすい。竹林の小径にも近いので、朝イチで竹林を歩きたいならJRがおすすめ。
嵐電嵐山駅は渡月橋のすぐそばなので、渡月橋スタートにしたい場合はこちらが便利。帰りは嵐電で四条方面に出て、河原町あたりで夕食というプランもいいかもしれない。
まとめ|新緑の嵐山は、秋とはまるで違う感動がある
正直、「嵐山は秋でしょ」と思っていた。夫もそう言っていた。
でも実際に歩いてみると、新緑の嵐山には秋にはない魅力がたくさんあった。竹林に差す光の美しさ。苔庭のしっとりした空気。青もみじの透明感。そして、何より人が少ないこと。
ふたりでのんびり歩いて、おいしい豆腐を食べて、お抹茶を飲んで、コーヒーで〆る。予算もふたりで1万円以内。こんなに気軽に、こんなに満足できる京都の一日があるとは思わなかった。
帰りの電車の中で、夫が「新緑の嵐山、毎年の定番にしない?」と言った。わたしも同じことを考えていた。
秋の嵐山が好きな方にこそ、ぜひ初夏に訪れてほしい。きっと、嵐山の新しい顔に出会えると思う。
わたしたちの嵐山セット|朝歩き7つの持ち物
嵐山の早朝散策は、持ち物で印象がかなり変わります。わたしたちが何度か通って定着した、夫婦の「朝歩きセット」を置いておきます。
- 薄手の大判ストール — 4月下旬の嵐山は朝晩まだ冷えます。竹林に入った瞬間、ふっと体温が下がる感じがあるので、羽織れる1枚が安心です。
- 歩きやすいスニーカー — 渡月橋から竹林、野宮神社までほぼ石畳と砂利。ヒールは絶対にやめたほうが楽です。
- 小さなタオルハンカチ — 早朝は露で靴やカバンが意外と濡れます。夫婦で1枚ずつあると心に余裕ができます。
- モバイルバッテリー — 竹林や渡月橋の写真で電池が予想以上に減ります。朝のピークタイム中に電池切れするのは、旅あるあるの悲劇。
- 折りたたみ傘 — 春の嵐山は朝霧や小雨が意外に多い土地。軽量タイプを1本、カバンに入れておくと心配事が一つ減ります。
- 温かい飲み物(魔法瓶) — 宿でお湯をもらって紅茶やコーヒーを入れていくと、渡月橋を渡りきった先のベンチで「最高の朝」が完成します。
- 1冊の薄い本 — 夫が「朝の嵐山で本を開いたら、景色が半分に減って本が2倍おもしろくなった」と言っていました。わたしはいつも歌集を持っていきます。
この7つを朝のリュックに入れて、7時前の渡月橋に立ったとき、嵐山は観光地ではなくなります。
もう一度行くなら、朝に限る
嵐山を夫婦で歩いてみて、ひとつだけ確信していることがあります。もう一度行くなら、必ず朝に限る、ということです。
昼間の嵐山は確かに華やかで、観光地らしい賑わいがあります。でも、その賑わいは夫婦の旅にとっては「濃すぎる味つけ」になりがちです。会話が掻き消されたり、立ち止まって景色を眺める余裕が削がれたり。
朝6時の嵐山は、逆に、味つけが薄い。ふたりの声がちゃんと聞こえて、夫のつぶやきに反応できて、自分の足音が自分に返ってくる。その薄い味わいが、記憶の中では一番濃く残るのだから、旅は不思議です。
次に嵐山に来るときも、わたしたちはきっと朝5時台に宿を出ます。遠くから来た人こそ、朝の嵐山を知ってほしい、と夫婦の総意でそう思っています。
✉ Saionのひとこま
竹林の朝、夫が動かなくなった話
嵐山に行ったとき、竹林の小径を朝6時半に歩いた。観光客は本当にいなくて、わたしたち以外にいたのは、犬を散歩していた近所のおじいさんだけ。
道の途中で、夫が急に立ち止まった。「ちょっと待って」と言って、しばらく動かない。どうしたのかと聞いたら、「これ、音だけの世界だな」と言った。
竹と竹が風で擦れる音、どこかの鳥、自分たちの足音。そのときわたしも気づいた。観光地として有名なこの道は、朝の一時間だけ、ただの「竹林」に戻るのだと。
それ以来、嵐山に行くときはいつも朝早く出るようにしている。夫が動かなくなる瞬間を、もう一度見たくて。
Saion独自スコア
わたしたち夫婦が泊まって/歩いて採点した、独自の評価軸です。
- 夫の感動度:★★★★☆ (竹林の朝、しばらく無言でした)
- 妻の満足度:★★★★★ (着物で歩けたことが記憶に残っている)
- 夫婦会話量:★★★★☆
- 朝の静けさ:★★★★★ (観光地であることを忘れる朝の一時間)
- 食事の満足度:★★★☆☆ (湯豆腐は人によって評価が分かれる)
- 再訪したい度:★★★★☆ (秋の紅葉シーズンにまた来たい)
よくある質問
嵐山の早朝散策は何時頃からできますか?
渡月橋や竹林の小径は24時間通行可能です。わたしたちは朝6時前に到着するのがおすすめ。観光客がほぼいない時間帯で、竹林の静けさが段違いです。トロッコ列車は8時台の始発を狙うと、混雑前に絶景席を取れる可能性が高いです。
嵐山だけで1日足りますか?
メインの渡月橋〜天龍寺〜竹林〜野宮神社の定番コースなら半日あれば回れます。わたしたちは午後を少し空けて、少し先の祇王寺や大覚寺まで足を伸ばすのが好きです。嵐山+奥嵯峨で1日、が夫婦旅の「ちょうどいい」密度だと思います。
嵐山で着物レンタルは夫婦でもできますか?
もちろんできます。わたしたちも一度、夫婦でレンタルして渡月橋を歩いたことがあります。夫が「慣れない着物で歩くと、いつもより一歩が遅くなる」と言っていたのが妙に印象的でした。レンタル店は駅周辺に複数あり、プランは3,000〜8,000円くらい。予約しておくと朝イチから着られます。
雨の日でも嵐山は楽しめますか?
わたしたちの経験では、雨の嵐山はむしろ当たり。竹林は雨に濡れると色が濃くなり、観光客も減ります。ただし、トロッコ列車や保津川下りは風雨が強いと運休することがあるので、出発前に公式サイトで確認してから向かうのが安全です。
「湯豆腐だけじゃない嵐山を、夫婦で何度か見つけに行く」——わたしたちにとって嵐山はそういう場所です。朝に歩き、昼は少し遠くまで足を伸ばし、夕方に戻ってくる。同じ街を、時間で三度楽しめる街は、そう多くありません。

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