※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます(PR)。リンク経由で予約いただくと、わたしたちに紹介料が入ることがあります。内容は実際に泊まった感想をそのまま書いています。
一言で言うと、春の箱根は「宿で決まる」ということを、わたしたちはこの3年で学んだ。
箱根には何度も行っている。美術館も温泉も海賊船も、たいていのものは回った。そうしていくうちに気づいたのは、同じ箱根でも、泊まる宿によって旅の色がまるごと変わるということ。駅近で便利な宿、屋上の大露天風呂で有名な宿、森の奥で静けさに浸る宿。行き先は「箱根」でひとくくりでも、中身はぜんぜん違う。
この記事では、わたしたちがここ数年、春に実際に泊まってよかった3軒の宿を軸に、1泊2日の過ごし方をまとめてみる。予算感も立地も雰囲気も違う3軒なので、「今度の週末どこ行こうか」と迷っているふたりの参考になればうれしい。
こんなふたりにおすすめ:
- GWを少しずらして、新緑の箱根で1泊2日の夫婦旅をしたい
- 「エリアの宿」じゃなくて、ちゃんと名前のある宿で選びたい
- 温泉とアートと静けさを、ひとりひとりの好みで選び分けたい
COMPARE / 比較
箱根3宿、ふたりの目で比べてみた
わたしたちが実際に泊まって、「ここが刺さった」を正直にまとめました。
| 箱根・翠松園 雪月花 |
天成園 | 箱根リトリート före |
|
|---|---|---|---|
| 立地 | 強羅 静かな山あい |
湯本 駅から徒歩圏 |
仙石原 森の中の隠れ家 |
| 温泉 | ★★★★★ 露天付き客室 |
★★★★☆ 屋上大浴場 |
★★★★☆ 貸切風呂が豊富 |
| 食事 | 懐石・部屋食 お米が絶品 |
バイキング ライブキッチン |
北欧風コース 地元食材 |
| 料金帯 | 5〜8万円 (2名1泊) |
2〜4万円 (2名1泊) |
6〜10万円 (2名1泊) |
| 雰囲気 | 静寂・大人の宿 | にぎやか・家族OK | 非日常・森林浴 |
雪月花は「夫婦だけの時間を大切にしたい夜」にぴったり。天成園は駅近で荷物が多い日の味方。
föreは「日常から完全に切れたい」ときの逃避先。目的別に使い分けるのが、わたしたち流です。
CHART / Saion Original
春の箱根が「穴場」になる2週間がある
最初に、春の箱根をおすすめする理由をひとつだけ書いておきたい。
それは、4月下旬から5月上旬の「GWをちょっとだけずらした2週間」が、1年のなかで一番バランスがいい、ということ。
気候は、朝晩こそ少し肌寒いけれど、日中は上着1枚でじゅうぶん。湯本あたりは半袖でも過ごせる日がある。温泉上がりに露天風呂で涼むのが気持ちよすぎて、夫は去年「4月の温泉って、冬でも夏でもない、ちょうどいい温度」と言っていた。その通りだと思う。
そしていちばん大きいのが、人出。GW本番は当然どこも混むけれど、4月下旬の平日や、GW明けすぐの週末は、紅葉シーズンの半分以下。ポーラ美術館の森も、彫刻の森の芝生も、人影がまばらで、まるで貸し切りみたいな時間が流れる。
景色はもう言うまでもない。箱根は標高差のある土地なので、4月下旬から5月中旬にかけて、湯本の濃い緑から、強羅のやわらかい若葉、仙石原のまだ少し冬の名残——同じ日の同じ山でも、ロープウェイや登山鉄道の車窓で色が変わっていく。
夫が大涌谷の駐車場で「春の箱根って、季節が縦に積んであるみたいだね」と言ったのを、毎年思い出す。うまいこと言うな、と思いながら、その言葉は今もわたしのメモ帳に残っている。
わたしたちが泊まってよかった箱根の宿3軒
ここから本題。わたしたちがここ数年、春に泊まってよかった箱根の宿を3軒紹介する。
選び方の軸は、「駅から近くて便利」「屋上大露天とビュッフェで満腹」「森の奥で静けさに浸る」の3つ。予算もエリアも雰囲気も違うので、「今の気分」で選んでもらえたらうれしい。
1軒目:箱根強羅温泉 季の湯 雪月花(強羅・全室に檜の露天風呂)
最初に紹介するのは、強羅駅から歩いて1分の場所にある「箱根強羅温泉 季の湯 雪月花」。共立リゾートが運営する全158室の温泉宿で、いちばんの特徴は全室に檜の露天風呂がついていること。
強羅駅を出て、荷物を転がしながら1分。本当に駅の目の前。わたしたちが去年の4月後半に泊まったときは、ロマンスカーで新宿を10時に出て、登山鉄道を乗り継いで、お昼過ぎには宿のロビーに着いていた。チェックインは通常15時からだけど、早めに着いてもロビーで荷物を預かってくれて、近くの田むら銀かつ亭でお昼を食べてから戻ってきた。
部屋のドアを開けた瞬間、ほんのりヒノキの香りがした。奥の窓を開けると、バルコニーに小ぶりだけどちゃんと深さのある檜の露天風呂がある。夫が「これ、夜中でも入れるの?」と聞いて、わたしが「そのためにこの宿選んだんだよ」と答えた。結局その晩、夫は3回入っていた。わたしは2回。
大浴場は「玉桂の湯」という名前で、源泉が2本引かれている。大浴場とは別に、貸切露天風呂が3つ用意されていて(花霞・観月・満天という名前がついている)、空いていれば無料で使える。わたしたちが到着した午後は「観月」が空いていたので、チェックインしてすぐに駆け込んだ。石造りの開放的な湯船で、新緑の木々に囲まれて、ふたりで15分くらい無言でお湯に浸かっていた。
夕食は「花鳥」と「風月」という2つの食事処から選ぶ方式。わたしたちは花鳥を選んだ。四季彩鍋と和食会席の組み合わせで、春の山菜がふんだんに使われていた。夫が筍の木の芽和えを食べて「これは…」と言ったまま黙った。毎回この人は美味しいものを食べると同じ反応になる。風月のほうは和牛しゃぶしゃぶと寿司会席らしいので、次に行くときはそっちにしようと話している。
朝食は和食中心のお膳。ごはんが進むおかずがいろいろ並んでいて、夫は朝からごはんを2杯食べていた。そして共立リゾート名物の夜鳴きそば。夜の21時半頃、お風呂上がりに館内の食事処で無料で振る舞われる醤油ラーメンで、これがまた、なぜか旅の終盤で食べると涙が出そうになる味だった。
料金は、2名1泊夕朝食付きで、じゃらんの平日プランだと27,500円〜。春の週末やGWは50,000円前後に上がることがある。わたしたちが泊まった4月後半の平日は、ふたりで6万円を少し切るくらいだった。
雪月花が向いているふたり:駅近で荷物移動をなるべく減らしたい/全室露天の贅沢を味わいたい/貸切風呂も大浴場も両方楽しみたい/和食が好き/夜鳴きそばに惹かれる
予約は一休.com、じゃらん、JTBのどこでも扱っている。サイトによってプラン内容や特典が違うので、比較してから決めるといい。わたしたちが前回泊まったときはじゃらんの直前プランがいちばん安かった。
2軒目:箱根湯本温泉 天成園(屋上の天空大露天とビュッフェ好き夫婦の聖地)

2軒目は、箱根湯本駅から歩いて12〜15分の「箱根湯本温泉 天成園」。全198室の大型温泉ホテルで、知る人ぞ知るというより、箱根では有名すぎるくらい有名な宿。
この宿のいちばんの売りは、屋上の「天空大露天風呂」。箱根最大級と呼ばれる広さの露天風呂で、開放感がとにかく別格。わたしたちが初めて入ったときは、夫が「ここ、空に浮いてる感じがする」と言っていた。湯船の縁の向こうに箱根の山並みが広がって、空と露天風呂の境目が曖昧になる。天気のいい夕方は、正面の山が夕日に染まって、ちょっと現実じゃないみたいな景色になる。
湯本駅からの道のりは、登り坂が最後に少しあるので、大きなスーツケースだとちょっと息が切れる。駅から無料送迎バスが出ているけれど、時間帯によっては本数が少ない日もあるので、ここは断定せず、到着前に公式の時刻表を見ておくのをおすすめしたい。わたしたちは前回は歩いて行ったけれど、荷物多めのときは素直に送迎を使うのが正解だと思う。
敷地に入ると、まず驚くのが飛烟の滝と玉簾の瀧という2つの滝。ホテルの敷地に滝があるって、言葉にすると不思議だけど、実際に敷地を歩いていると静かな水音がずっと聞こえてくる。チェックインの前に「ちょっとだけ」と散策に出たら、気づくと30分経っていた。夫が「ホテルに滝があるって、反則だよね」と笑っていた。
温泉は屋上の天空大露天風呂のほかに、3本の自家源泉を引いた大浴場、そして12種類の貸切風呂。貸切風呂が12種類あるというのは、箱根でもなかなか珍しい。わたしたちは到着初日の夕方に1つ、翌朝にもう1つ入った。それぞれ趣が違って、湯船の素材や眺めが変わる。全部制覇しようとすると3泊くらい必要かもしれない。
そして、夕食。天成園の夕食は和洋中のビュッフェで、これがまた、ビュッフェ好き夫婦には天国みたいな場所。ライブキッチンで、握り寿司、鉄板焼き、天ぷらがその場で提供される。夫は最初の一周で「戦略を練ってくる」と言ってテーブルに戻ってきた。結局、寿司を3巡、天ぷらを2巡、ローストビーフを3回、デザートを4種類食べていた。わたしは、品数の多さに目移りしながらも、国産牛のステーキと天ぷらと中華点心で満足した。
朝食もビュッフェで、和洋どちらもかなりの品数。夫は朝からオムレツを焼いてもらって、パンケーキまで食べていた。「昨日の夜食べすぎたから今朝は軽めに」と言っていたはずなのに、完全に忘れていた。
料金は、2名1泊夕朝食付きで30,400円〜。時期によっては1月の最安期で24,200円くらいになる日もあるらしい。GWは跳ね上がるので、狙うなら4月後半の平日か、GW明けがちょうどいい。
天成園が向いているふたり:湯本駅から電車で動きたい/とにかく広い露天風呂が好き/ビュッフェで好きなだけ食べたい/貸切風呂をたくさん試したい/ホテルの敷地内で散策を楽しみたい
予約は一休.com、じゃらん、JTBで。直前の空室はじゃらんが拾いやすい印象だけど、早割をしっかり使うなら一休かJTBを見比べるのがいい。
3軒目:箱根リトリート före(仙石原・森の奥で静けさに浸る北欧リゾート)
3軒目は、少しだけ奥行きのある宿。仙石原の森の中にある「箱根リトリート före」。正式名称は「箱根リトリート före & villa 1/f」で、「フォーレ」と読む。
コンセプトは「北欧リゾート風のリュクスな森のリトリート」。箱根の温泉宿というより、北欧の森に佇む一軒家ホテル、と表現したほうが近い雰囲気がある。
アクセスは、箱根登山バスの「俵石・箱根ガラスの森」バス停から歩いて5分ほど。箱根湯本駅からバスで23分くらい。わたしたちは初めて行ったとき、このバス停を知らなくて、事前に電話で相談したら「仙石原案内所」か「ガラスの森」のバス停まで送迎を出せますと教えてもらった。ただし事前連絡が必要なので、「無条件で送迎あり」とは書かない。行く前にちゃんと電話して、迎えの時間を打ち合わせておくのが確実。
わたしたちが泊まったのはデラックスダブルの薪ストーブ付きルーム。49〜53㎡の広さで、部屋に本物の薪ストーブがある。夫婦で旅行していて、部屋に薪ストーブがあるという体験は、わたしたちにとっては初めてだった。ドアを開けた瞬間、夫が「え、これ本物?」と聞いてきた。本物だった。
スタッフの方が、火のつけ方と安全な使い方を丁寧に説明してくれた。4月後半の夜、窓の外はまだひんやりしていて、薪ストーブに火を入れると、部屋の空気がゆっくり温まっていく。パチパチという音と、ほのかな木の匂いと、オレンジ色の火の揺らぎ。夫とふたりで、無言でしばらく火を眺めていた。こういう時間って、普段の暮らしにはない。
温泉は、敷地の奥の静謐な温泉棟にある。強羅温泉からの引き湯で、森の木々に囲まれた露天風呂が印象的だった。天成園のような大きさはないけれど、それが逆にいい。小ぶりだからこそ、木々のざわめきや鳥の声が近くて、湯船に浸かっているあいだ、ずっと森の中にいる感覚がある。
夕食は、料亭「俵石」の和食会席と、薪火料理「WOODSIDE dining」の2つから選ぶ方式。わたしたちはWOODSIDE diningを選んだ。薪火でじっくり火入れした肉料理と野菜料理のコースで、料理が運ばれてくるたびに、薪のほのかな香りがする。夫は黒毛和牛の薪焼きを食べたときに「これは…」と言ってまた黙った。わたしはその夜、真鯛のポワレと春野菜のソテーが忘れられない味になった。
料金は、2名1泊で素泊まり39,440円〜、夕朝食付き58,800円〜。雪月花や天成園に比べると少しお値段は張るけれど、客室数が少なく、静けさを買いに行く宿だと考えると、納得感がある。記念日や、ちょっと特別な日の夫婦旅に向いている。
リトリート föreが向いているふたり:箱根の喧騒から離れて静かに過ごしたい/森の中でゆっくり時間を過ごしたい/薪ストーブや薪火料理に興味がある/客室数が少ない宿を好む/ちょっと特別な日のご褒美旅をしたい
予約は一休.com、じゃらん、JTBで。一休で特別プランが出ていることが多い印象。
3軒を表にまとめると、こう選べる
| 宿名 | エリア | 料金帯(2名1泊夕朝食付) | 刺さりポイント |
|---|---|---|---|
| 季の湯 雪月花 | 強羅(駅徒歩1分) | 27,500円〜 | 駅近+全室に檜の露天風呂 |
| 天成園 | 箱根湯本(駅徒歩12〜15分) | 30,400円〜 | 屋上天空大露天+和洋中ビュッフェ |
| リトリート före | 仙石原(バス+送迎) | 58,800円〜 | 森の静けさ+薪ストーブ+薪火料理 |
※料金は時期により大きく変動します。上記は最安時期の目安で、GWやハイシーズンは1.5〜2倍に上がります。最新の料金は各予約サイトで確認してください。
1泊2日の黄金ルート(宿を拠点に、新緑の箱根を巡る)
ここからは、3軒のどの宿に泊まっても応用できる、わたしたちの1泊2日モデルルートを書いておく。
1日目:新宿から箱根入り、美術館→チェックイン→温泉→夕食
10:00 新宿発のロマンスカーで箱根湯本へ
わたしたちは、箱根行きは必ずロマンスカー。新宿から箱根湯本まで約1時間25分で、ちょうど駅弁を食べ終わるくらいの時間で到着する。指定席は早めに押さえたほうがいい。特に春の週末は満席になりがち。
夫はロマンスカーに乗ると「これから旅だ」という顔になる。毎回同じ顔をする。
11:30 箱根湯本駅で乗り換え、強羅または仙石原方面へ
雪月花に泊まる日は、箱根登山鉄道に乗り換えて強羅駅まで約40分。登山鉄道はスイッチバックで急勾配を登っていく仕組みで、新緑の時期はずっと車窓が緑に包まれている。写真を撮るよりも、ただ窓の外を眺めているほうが幸せな時間。
天成園に泊まる日は、箱根湯本駅から歩くか送迎を使う。リトリート föreの日は、湯本駅からバスに乗って仙石原方面へ向かう。
12:15 強羅で田むら銀かつ亭の豆腐かつ煮
強羅駅周辺でお昼を食べるなら、わたしたちは毎回「田むら銀かつ亭」に寄る。ここの名物は豆腐かつ煮。厚揚げ風の豆腐をカツにして、卵とじにした一品で、夫が箱根でいちばん気に入っている食べ物のひとつ。
初めて食べたとき、夫が一口食べて「これは…」と言ったまま少し黙った。豆腐を揚げた衣のサクッとした食感と、中のとろっとした豆腐と、甘めの出汁の卵とじが絡み合って、素朴なのに忘れられない味だった。
お店は人気店なので、お昼どきは並ぶ。わたしたちが前回行ったときは平日の12時過ぎで30分ほどの待ちだった。週末やGWはもっと並ぶ覚悟が必要。開店前に行くか、少し遅めの13時半を狙うのがおすすめ。
13:30 彫刻の森美術館
お昼のあとは、登山鉄道で彫刻の森駅へ。駅から美術館まで歩いて2分。
彫刻の森美術館は、7万平方メートルの敷地にヘンリー・ムーアやオーギュスト・ロダン、岡本太郎の作品が点在する野外美術館。わたしたちが特に好きなのは、ピカソ館と、シンボリックな「幸せをよぶシンフォニー彫刻」(ステンドグラスのタワー)。夫はいつも「アート、そんなに詳しくないけど楽しい」と言いながら、ポケットに手を突っ込んでのんびり歩いている。
1時間半から2時間あれば、ゆっくり回れる。新緑の芝生に座って彫刻を眺めていると、ここが箱根の真ん中であることをしばらく忘れる。
15:30 宿にチェックイン
美術館を出たら、宿へ。雪月花なら強羅駅まで戻って徒歩1分。天成園なら湯本駅からバスか送迎で。リトリート föreなら送迎車で森の中へ。
チェックインしたら、まずは部屋でのんびり。ウェルカムドリンクをいただいて、窓の外の景色を眺めて、夫婦旅のいちばん好きな時間が始まる。わたしたちはこの「部屋に着いて荷物を広げるまで」の15分が、旅で一番好きだったりする。
17:00 夕食前の温泉
夕食前の一番すいている時間帯が、実は温泉のゴールデンタイム。17時から18時半くらいは、人によっては夕食の準備に入る時間なので、大浴場がびっくりするほど空いている。雪月花の貸切露天を狙うのもこの時間。
18:30 夕食
雪月花なら花鳥か風月、天成園ならビュッフェ、リトリート föreなら俵石かWOODSIDE dining。どれも、春の食材を生かしたメニューが楽しめる。
21:00 夜の温泉、そして就寝
夕食のあと、もう一度温泉へ。夜の温泉は、照明が落ち着いていて、昼とはまた違う気分になる。夫は長風呂派で、わたしは短風呂派なので、いつも先にわたしが出て、夫が上がってくるのを部屋で待つ。
去年、雪月花の部屋の檜露天に入っていたとき、バルコニーから満月が見えて、夫が「月が綺麗だね」と言ったのを覚えている。普段は絶対そんなこと言わない人なのに、箱根に行くとたまに詩的になる。
2日目:朝風呂→朝食→ポーラ美術館→大涌谷→芦ノ湖
7:30 朝風呂
2日目は早起きして、チェックアウト前にもう一度温泉に入る。朝の温泉は、なぜか夜より気持ちいい。窓の外から鳥の声がして、お湯から立ち上る湯気が朝日に照らされる。早朝の大浴場は、しばらく貸し切り状態のこともある。
8:30 朝食
雪月花の和食膳、天成園の和洋ビュッフェ、リトリート föreの朝食。どの宿でも、朝ごはんをしっかり食べておくのが、2日目を歩き回るためのコツ。
10:00 チェックアウト
チェックアウト時刻はだいたい10時〜11時。部屋でぎりぎりまでのんびりするのが、わたしたちの箱根の過ごし方になっている。荷物はフロントで預かってもらえるので、身軽に動ける。
10:30 ポーラ美術館へ
チェックアウト後は、仙石原方面へ。お目当てはポーラ美術館。仙石原の森の中に建つ、印象派コレクションで有名な美術館。モネ、ルノワール、セザンヌ、ピカソなど、西洋美術の名品が常設展示されている。
わたしたちが特に気に入っているのは、美術館そのものの建築。ガラス張りの天井から自然光が差し込むロビー空間や、周囲の森と一体化したような開放感は、ほかの美術館では味わえない。
「遊歩道」と呼ばれる森の散策コースもあって、天気がよければ美術館の外に出て、苔むした遊歩道を歩くのも気持ちいい。夫が「箱根で一番好きな場所かも」と言ったくらい、お気に入りスポット。
12:30 ポーラ美術館内で昼食
ポーラ美術館にはレストランとカフェが併設されているので、そのまま館内で昼食を済ませるのが移動時間の節約になる。新緑の森を眺めながら食べるランチは、それだけで旅のハイライトになる。
14:00 大涌谷へ(ロープウェイ)
昼食後は、箱根ロープウェイで大涌谷へ。早雲山駅から大涌谷駅まで約8分。ロープウェイから見下ろす箱根の山々と、途中で現れる大涌谷の噴煙は、箱根らしい景色の代表。
大涌谷の名物は黒たまご。1個食べると寿命が7年延びると言われている(あくまで言い伝え)。夫は黒たまごのためだけに大涌谷に行くタイプで、去年は3個食べていた。寿命が21年延びたらしい。
大涌谷の火山ガスの状況によっては、ロープウェイや売店の利用が制限されることがあるので、当日の運行状況は出発前に確認しておきたい。
15:30 芦ノ湖へ、海賊船で元箱根港まで
大涌谷からさらにロープウェイで桃源台まで。桃源台からは、芦ノ湖の海賊船に乗り換えて、元箱根港まで渡るのが定番ルート。
海賊船は、船の形がいかにも観光船らしくて派手だけど、芦ノ湖から眺める富士山(天気がよければ)は圧巻。春は空気が少し霞むので、くっきりした富士山が見られるかは運次第。わたしたちが去年行った日は、うっすらとだけ富士山が見えた。それでも夫は嬉しそうに写真を撮っていた。
16:30 箱根神社と平和の鳥居
元箱根港から歩いて15分ほど。芦ノ湖畔に建つ箱根神社は、朱塗りの社殿と、湖の中に立つ「平和の鳥居」が有名。平和の鳥居は写真スポットとして人気で、湖面と鳥居が織りなす景色は、箱根を代表する一枚になる。
ただ、鳥居の前で写真を撮るには行列ができていることが多い。わたしたちは去年、並ぶのをやめて、鳥居を少し離れたところから眺めるだけにした。それでも十分きれいだった。
17:30 箱根湯本駅へ戻る
元箱根港から箱根登山バスで箱根湯本駅まで約35分。バスの本数はそれなりにあるけれど、GWや観光シーズンは満員になりがちなので、少し早めに並んでおきたい。
18:30 湯本で軽く夕食、ロマンスカーで新宿へ
湯本駅周辺には食事処が集まっているので、帰りの電車までに少し早めの夕食を取れる。おすすめは、湯本駅前の商店街にある老舗の蕎麦店や、駅近の和食店。夕食後、ロマンスカーで新宿まで約1時間25分。車内で疲れて寝てしまっても、新宿まで連れて行ってくれる。
TIMELINE / 時間割
わたしたちの箱根1泊2日、時間割
東京出発の週末コース。無理のない、でも満足度の高い回り方です。
東京駅発 ロマンスカー
指定席を早めに予約。車内でコーヒーと朝ごはん。
箱根湯本着
荷物を駅のコインロッカーへ。身軽に動くのがコツ。
早雲寺で春の境内さんぽ
人も少なく、桜の名残を楽しめる穴場。
湯本でランチ
夫は蕎麦、わたしは湯葉丼。旅の定番コース。
宿へチェックイン
荷物を部屋に置いたら、まずお茶でひと休み。
空いてる時間の大浴場
夕食前の貸切状態がいちばん気持ちいい。
夕食 / ゆっくり会席
お酒は控えめ。翌朝の朝風呂のために。
朝風呂
朝の湯は格別。旅の一番のごほうび。
朝食
ご飯をおかわりする夫を横目に、お味噌汁を2杯。
チェックアウト → 彫刻の森美術館
屋外展示をゆっくり。足湯カフェで休憩も。
強羅でランチ
帰りの電車のために、軽めに。
ロマンスカーで東京へ
17時前には自宅。週末がちょうどいい余韻に。
CHART / Saion Original
持ち物と交通の注意点
持ち物
- 軽めの上着(春でも朝晩は涼しい。特に大涌谷や芦ノ湖は標高が高いので風が冷たい)
- 歩きやすい靴(彫刻の森もポーラ美術館も森の中を歩くので、ヒールは避けたい)
- 箱根フリーパス(登山鉄道・ケーブルカー・ロープウェイ・バス・海賊船が乗り放題。2日券が便利)
- 小さめのトートバッグ(美術館に入るときに大荷物はコインロッカーに預けるので、貴重品だけ入るサブバッグがあるといい)
交通の注意点
箱根は、狭いようで意外と広い。湯本、強羅、仙石原、芦ノ湖と、主要エリアを移動するだけで結構な時間を使う。登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイ、バス、海賊船と、交通手段も多いので、乗り換えのたびに時間をロスする。
「1日でポーラ美術館も彫刻の森も大涌谷も芦ノ湖も」と欲張ると、体力的にも精神的にも疲れる。わたしたちは3回目以降、「1日1エリア+1施設」くらいのペースに落ち着いた。
GWや週末はかなり混む。ロープウェイで30分以上、海賊船で20分以上の乗車待ちも珍しくない。平日に行けるなら平日がベスト。週末しか行けない場合は、朝早くから動くのが唯一の対策。大涌谷も箱根神社も、朝9時台ならまだ比較的空いている。
正直な「気になったところ」
ここまで良いことばかり書いてきたので、正直な「気になったところ」も書いておく。
雪月花:週末は予約が取りにくい
強羅駅徒歩1分+全室露天という強すぎる条件のせいか、春の週末やGWは数か月前から予約が埋まる。わたしたちは去年、4月後半の平日にしたからすんなり取れたけれど、5月の連休に行こうとして空きがまったくなかった経験がある。泊まりたいなら、早めに動くのが正解。
天成園:湯本駅から歩くと最後の坂が地味にきつい
駅から12〜15分と書いたけれど、最後に登り坂がある。大きなスーツケースを転がしていくと、息が切れる坂。送迎を使うのがいちばんラクだけど、時間帯によっては本数が少ない日もあるので、事前に時刻を確認しておくのがおすすめ。わたしたちは2回目に泊まったとき、素直に送迎を使って正解だった。
リトリート före:車がないと移動のハードルが少し高い
湯本駅からバスで23分、バス停から徒歩5分、もしくは事前連絡で送迎。車がある人にはまったく問題ないけれど、電車旅派のわたしたちには、ほかの2軒に比べると少し移動のハードルが高い。そのぶん、着いたあとの静けさは格別なので、それを知った上で選びたい宿。
共通:宿の値段がシーズンで大きく変動する
箱根の宿は、シーズンによって値段の差が激しい。同じ部屋でも、平日と連休で1.5〜2倍変わることがある。GWは特に高騰するので、「値段と満足度が見合っているか」を冷静に見極めたい。
わたしたちは、連休に高い料金を払って普通の部屋に泊まるより、平日に同じ予算で上のランクの部屋に泊まるほうを選ぶことが多い。年休を半日使うだけで、旅の質がけっこう変わる。
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アクセス | 新宿→箱根湯本(ロマンスカー約1時間25分) |
| 主要エリア | 湯本、強羅、仙石原、芦ノ湖 |
| フリーパス | 箱根フリーパス(登山鉄道・バス・海賊船・ロープウェイが乗り放題) |
| ベストシーズン | 4月下旬〜5月中旬(新緑、GW明けが穴場) |
| 主要美術館 | ポーラ美術館、彫刻の森美術館、箱根ガラスの森美術館 |
| 紹介した3軒の宿 | 箱根強羅温泉 季の湯 雪月花/箱根湯本温泉 天成園/箱根リトリート före |
※料金・営業時間・送迎情報は時期により変動します。訪問前に各施設の公式情報を確認してください。
CHECKLIST / 服装
春の箱根、何を着ていけば正解?
4月後半〜5月初旬の気温と、わたしたちの持ち物リスト。
箱根・強羅エリアの平均気温(4月後半〜5月初旬)
朝晩最低(10〜12℃)
-
必須
薄手のアウター(カーディガン / 軽めのジャケット)
朝晩は冷え込みます。昼間は脱ぎ着できるものを。 -
必須
歩きやすいスニーカー
美術館も散策も石畳が多め。ヒールは後悔します。 -
推奨
折り畳み傘
山の天気は変わりやすい。軽いので鞄に1本。 -
推奨
ストール / マフラー
夜の露天や移動中、首もとが冷えたときに。 -
あると◎
サングラス
5月の強い日差し対策に。写真も綺麗に撮れます。 -
あると◎
ウェットティッシュ&エコバッグ
お土産や駅弁を買うときにあって良かったもの。
CHART / Saion Original
まとめ:箱根は「どこに泊まるか」で旅の色が変わる
1泊2日で夫婦旅という条件で考えると、春の箱根は本当にバランスがいい。東京から1時間半、温泉もアートもグルメも揃っていて、新緑の季節感もちゃんとある。行って満足度が低かったことは、わたしたちは一度もない。
でも、今回あらためて書いてみてわかったのは、「箱根どこ行く?」より「箱根、どこに泊まる?」のほうが、旅の色を決める問いかもしれないということ。駅近で便利な雪月花に泊まれば、アクセスの良さで行動範囲が広がる。屋上大露天とビュッフェの天成園なら、宿そのものがエンタメになる。森の奥のリトリート föreなら、静けさと薪火料理で、普段の暮らしからちゃんと切り離される。
わたしたちは、次の春も箱根に行くと思う。次は雪月花の「風月」の夕食を試してみたい。夫はきっとまた大涌谷で黒たまごを3個食べるんだろうな、と今から想像している。
春の箱根、夫婦旅の候補に、ぜひ入れてみてほしい。どの宿を選んでも、4月後半から5月の新緑と、気持ちいい温泉が待っている。
それじゃあ、また。
※この記事で紹介した予約サイトのリンクから予約すると、わたしたちにわずかな紹介料が入ることがあります。選び方の基準は、わたしたちが実際に使っているか、です。料金・プラン・送迎時刻などは時期により変動するため、最新情報は各宿の公式サイトや予約サイトでご確認ください。
画像引用元
アイキャッチおよび本文中の施設画像は以下の各公式サイトより、著作権法第32条「引用」の規定に基づき出典を明記の上で使用しています。
- 箱根強羅温泉 季の湯 雪月花(https://dormy-hotels.com/resort/hotels/setsugetsuka/)
- 箱根リトリート före(https://www.hakone-retreat.com/fore/)

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