強羅花壇 宿泊記|夫婦で過ごす箱根の懐石と温泉の休日

強羅花壇 宿泊記|夫婦で過ごす箱根の懐石と温泉の休日 アイキャッチ
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一言で言うと、「何もしない贅沢」を思い出させてくれる宿だった。

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チェックインしてから、ふたりともスマホをほとんど触らなかった。

箱根の山あいに静かに佇む強羅花壇。旧閑院宮家の別邸跡地に建つこの宿は、派手さではなく「余白」で勝負してくる。温泉、懐石、庭の緑。それだけで、一泊二日があっという間に過ぎていった。

正直、料金だけ見ると「うっ」となる。でも帰りの車のなかで、ふたりとも「また来よう」と言っていた。そういう宿だった。

こんなふたりにおすすめ:

  • 日常から完全に切り離されたい週末がほしい
  • 懐石料理が好き、または「ちゃんとした和食」を堪能したい
  • 温泉旅館の落ち着いた空間でゆっくり過ごしたい

アクセス|強羅駅から徒歩3分。送迎もあるけど歩くのがおすすめ

わたしたちは小田原から箱根登山鉄道に乗って強羅駅へ向かった。

箱根登山鉄道、久しぶりに乗ったけどやっぱりいい。スイッチバックで山を登っていくあの感じ、夫が窓にかぶりつきで景色を見ていた。旅のテンションが上がる乗り物だと思う。

強羅駅からは徒歩3分。事前に送迎もお願いできるけど、わたしたちは歩いた。駅を出て坂道を少しのぼると、左手に門が見えてくる。

ひとつだけ。強羅駅の周辺は、思ったより静かだった。お店が並んでいるわけではないし、コンビニも近くにない。着いてから「あ、飲みもの買っておけばよかった」と思ったので、必要なものは小田原や途中で買っておくのがいい。

車の場合は、東名高速の御殿場ICから約30分。宿の駐車場は無料で使える。

チェックイン|門をくぐった瞬間、空気が変わる

門を抜けて敷地に入ると、まず目に入るのは手入れされた日本庭園。

ロビーに通されると、スタッフの方がお抹茶と和菓子を出してくれた。旅の疲れがふっとほどける。チェックインの手続きも、ソファに座ったままゆったりと。立って待つ感じではなかった。

夫が小声で「ここ、もともと宮家の別邸なんだって」と言った。旧閑院宮家の別邸跡地に建てられた宿で、全44室。大型旅館のような賑やかさはないけれど、そのぶん静かで落ち着いている。

スタッフの方の対応がとにかく丁寧で、押しつけがましくない。「何かあればいつでもお声がけください」と言ってくれる、あの距離感がちょうどよかった。

客室|窓の外の緑に、ふたりとも言葉を失った

部屋に案内されてドアを開けた瞬間、思わず「わあ」と声が出た。

和室と洋室が組み合わさった広々とした造り。でも、何よりも印象的だったのは窓の向こうの景色だった。箱根の山の緑がすぐそこに広がっていて、まるで絵のよう。

部屋には露天風呂がついていた。テラスに出ると、木々のざわめきと鳥の声。温泉のお湯がとうとうと注がれる音だけが聞こえる。

夫が真っ先にテラスの椅子に座って、「もうここから動かない」と言った。気持ちはわかる。

室内の細部も行き届いている。タオルはふかふか。アメニティも上品なもので、シャンプーの香りがほんのり柑橘系だった。お茶のセットには、茶葉が数種類用意されていて、ポットでゆっくり淹れられる。

浴衣のほかに作務衣も用意されていて、わたしは作務衣派。夫は浴衣を選んでいた。こういう「選べる」のが地味にうれしい。

ひとつ正直に言うと、建物自体は新しくはない。「歴史がある」と言えば聞こえはいいけれど、廊下の一部や水回りの設備に、少し年季を感じるところはあった。清潔さに問題はないけれど、最新のラグジュアリーホテルを期待すると、そこはギャップがあるかもしれない。

でも、わたしたちはむしろそこが好きだった。ピカピカの新しさより、年月をかけて磨かれてきた空気のほうが心地いい。

温泉|大涌谷からの引湯。夫は1時間出てこなかった

強羅花壇の温泉は、大涌谷から引いた源泉。

大浴場に入った瞬間、ふわっと硫黄の香りがした。「ああ、箱根に来たんだな」と体が認識する感じ。お湯はやわらかくて、肌にすっとなじむ。温度もちょうどよくて、長く浸かっていられる。

露天風呂は、目の前に木々が迫っていて、空と緑しか見えない。夕方に入ったら、山の稜線が夕日で淡いオレンジに染まって、しばらくぼーっと眺めていた。

夫は大浴場がよほど気に入ったらしく、1時間近く出てこなかった。部屋に戻ってきて「最高だった」と一言だけ。語彙力はさておき、相当よかったんだと思う。

部屋の露天風呂も、何度も入った。夜中にふと目が覚めて、星を見ながらひとりで浸かる贅沢。これは露天風呂付き客室ならではの体験。

岩盤浴スパ|じんわり温まる、静かな時間

館内には岩盤浴スパもある。

温泉の後に岩盤浴に行ったら、体の芯からじわじわと温まる。薄暗い空間にヒーリングミュージックが流れていて、気がついたら少しうとうとしていた。

わたしは温泉より先にスパに行って、夫は温泉。合流してから夕食に向かう、というのがわたしたちの過ごし方だった。

ちなみに、夏にはプールも利用できるらしい。わたしたちが行ったのは夏ではなかったけれど、次はプールのある時期にも来てみたい。

足湯カフェ|庭を眺めながらの一服

敷地内に足湯カフェがあって、ここがまた良かった。

庭園を眺めながら足をお湯に浸して、コーヒーを飲む。たったそれだけなのに、贅沢な時間だった。

夫はほうじ茶ラテを頼んでいた。「足湯しながら飲むほうじ茶ラテ、人生で初めてだけど最高」と謎の感想を述べていた。たしかに、足元はぽかぽか、手にはあたたかい飲みもの、目の前には緑。文句のつけようがない。

チェックイン後の時間や、朝食前のひとときに立ち寄るのがおすすめ。わたしたちは朝、早起きした夫に誘われて行った。朝の空気が澄んでいて、足湯の温かさがより心地よかった。

夕食|懐石料理のコース。ため息が出るくらい美しかった

夕食は館内のお食事処で懐石料理のコース。

席に着くと、まず先付が運ばれてきた。小さな器に、季節の食材が丁寧に盛りつけられている。見た目の美しさに、食べる前から「写真撮っていいですか」と聞いてしまった。

お椀は、蓋を開けた瞬間に出汁の香りがふわっと立ちのぼった。ひと口飲んで、夫が目を閉じた。「……うまい」。そうなのよ。この出汁が、強羅花壇の懐石の真骨頂だと思う。

お造りは、新鮮さが一目でわかる透明感。わさびも本わさび。夫が「このわさび、全然ツンとこない」と感心していた。

焼き物、煮物、揚げ物と続いて、どの皿も「この一品だけでお店が開けるのでは」と思うクオリティ。量は多すぎず少なすぎず、ちょうどいい。最後のご飯ものまで、おなかに余裕を持って楽しめた。

わたしが特に気に入ったのは、炊き合わせ。野菜のひとつひとつに味がしっかり染みていて、でもくどくない。出汁の力ってすごいなと改めて思った。

夫のベストは、焼き物の魚。「皮がパリッとしてるのに身はふわふわ」と何度も言っていた。わかった、もういいよ。

お酒は日本酒を何種類かいただいた。料理に合わせておすすめを聞いたら、スタッフの方が丁寧に説明してくれて、どれもぴったりだった。お酒を飲む夫婦なら、ぜひペアリングを楽しんでほしい。

朝食|名物の温泉粥が、胃にやさしくしみる

翌朝の朝食も、お食事処で。

朝食のお膳が運ばれてきて、品数の多さにまず驚く。焼き魚、だし巻き卵、煮物、サラダ、お漬物、小鉢がいくつも。朝からこれは幸せすぎる。

そして、強羅花壇の朝食といえば温泉粥。

とろりとやわらかく炊かれたお粥が、前夜の懐石でちょっとお疲れ気味の胃にやさしくしみた。薬味を少しずつ加えながら食べると味が変わって、一杯では止まらない。

夫は温泉粥をおかわりしていた。さらにご飯も食べていた。「朝食が美味しい宿にハズレなし」というのが夫の持論で、強羅花壇はその基準を軽く超えてきたらしい。

だし巻き卵もふわふわで、出汁がじゅわっと口に広がった。ここの料理は本当に出汁が丁寧。朝食でそれを再確認した。

食後にコーヒーもいただけて、窓の外の庭を眺めながらゆっくりと。チェックアウトの時間が近づくのが惜しかった。

良かったところ

1. 懐石料理のクオリティが圧倒的

夕食も朝食も、一品一品に手間と想いが伝わってくる。特に出汁のレベルが高くて、和食好きなふたりにはたまらなかった。温泉粥だけでも泊まる価値がある、と本気で思った。

2. 「何もしなくていい」空間設計

庭園、足湯カフェ、岩盤浴、部屋の露天風呂。どこにいても心地よくて、「次は何をしよう」と焦る必要がない。滞在そのものが目的になる宿。

3. スタッフの距離感が絶妙

必要な時にはすっと現れて、そうでない時はそっとしておいてくれる。「おもてなし」を押しつけてこない。大人の宿だなと感じた。

4. 温泉の質がいい

大涌谷からの引湯は、やわらかくて肌なじみがいい。部屋の露天風呂で好きな時間に入れるのも最高。夜中の露天風呂は、この旅でいちばん贅沢な時間だった。

5. 旧閑院宮家の別邸跡という歴史の重み

建物や庭園のあちこちに歴史の片鱗が残っていて、ただ泊まるだけでは終わらない奥行きがある。夫が「ここ、歩いてるだけで楽しい」と言っていたのは、そういう空気のおかげだと思う。

気になったところ

1. 建物の古さはやっぱり感じる

歴史ある建物だからこその味わいはある。でも、廊下や水回りの一部に年季を感じるところがあったのは事実。ピカピカの最新設備を求める人には、少しギャップがあるかもしれない。わたしたちはそれも含めて好きだったけれど、期待値の調整は必要。

2. 強羅駅周辺が静かすぎる

宿の周辺にお店やコンビニはほぼない。チェックイン前やチェックアウト後に「ちょっとぶらぶら」という感じではなかった。飲みものやおやつは事前に買っておいたほうがいい。わたしたちは初日にそれを忘れて、ちょっと後悔した。

3. 料金は正直、覚悟がいる

強羅花壇は「気軽にまた来よう」とは言いにくい価格帯。ふたりで泊まると、なかなかの金額になる。ただ、料理・温泉・サービスのトータルで考えると、わたしたちは納得できた。記念日や、自分たちへのご褒美として計画するのがちょうどいいと思う。

基本情報

宿名 強羅花壇
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300
アクセス 箱根登山鉄道「強羅駅」から徒歩約3分(送迎あり)
客室数 全44室
温泉 大涌谷からの引湯/露天風呂付き客室あり
食事 懐石料理(夕食・朝食)
施設 岩盤浴スパ、プール(夏季)、足湯カフェ
公式サイト https://www.gorakadan.com/

わたしたちは一休.comで予約しました。じゃらんや楽天トラベルでもプランを比較できるので、特典やポイントを見ながら選ぶのがいいと思います。

まとめ|「また行く?」の答えは、迷わず「行く」

強羅花壇は、派手さで勝負する宿ではない。

静かな庭、やわらかい温泉、丁寧に仕立てられた懐石、そして何もしなくてもいい時間。そういうものが、ひとつひとつ積み重なって、気がつくと「ああ、いい旅だったな」と思わせてくれる。

チェックアウトの朝、荷物をまとめながら夫が「なんか、時間の流れ方が違かったよね」と言った。たしかにそうだった。たった一泊なのに、3日くらい休んだような気分。

建物の古さや料金のことを考えると、万人におすすめとは言えない。でも「ちゃんと休みたい」「ふたりでゆっくり過ごしたい」と思った時に、真っ先に名前が浮かぶ宿になった。

帰りの箱根登山鉄道のなかで、ふたりで次の予定を話していた。「今度は紅葉の時期に来ようか」。いつの間にか、もう次の計画が始まっている。

そういう宿だった。

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