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去年のGW、有名観光地で2時間並んだあと、夫が「もう来年は穴場しか行かない」と宣言した。
あの日の疲労感は、今でもはっきり覚えている。朝8時に出発して、渋滞3時間。やっと着いた観光地で、レストランは90分待ち。写真を撮ろうにも人の頭しか映らない。帰りの車内はふたりとも無言だった。
それから1年。わたしたちは「GWこそ穴場」を合言葉に、いくつもの場所を回ってきた。混雑を避けて、のんびり過ごせて、でもちゃんと旅の満足感がある。そんな場所を10か所、厳選してまとめた。
どこも「行って正解だった」と思える場所ばかり。GWの行き先に迷っているふたりの参考になればうれしいです。
こんなふたりにおすすめ:
- GWは混雑を避けてのんびり旅したい
- 定番観光地に飽きてきた
- 2泊3日くらいでリフレッシュできる場所を探している
GW穴場旅行先10選|一覧マップ
まずは10か所の全体像を。北から南まで散らばっているので、出発地に合わせて選びやすいはず。
| スポット | エリア | アクセス目安 | 1泊2日予算(ふたり) | GW混雑度 |
|---|---|---|---|---|
| 奥入瀬渓流 | 青森県 | 東京から新幹線+バスで約4時間 | 4〜7万円 | 少なめ |
| 角館 | 秋田県 | 東京から秋田新幹線で約3時間 | 3〜6万円 | 桜の時期はやや多い |
| 四万温泉 | 群馬県 | 東京から車で約3時間 | 3〜6万円 | 少なめ |
| 松本・上高地 | 長野県 | 東京から特急で約2.5時間 | 4〜7万円 | 上高地はやや多い |
| 伊勢志摩・賢島 | 三重県 | 大阪から近鉄特急で約2時間 | 4〜8万円 | 少なめ |
| 小豆島 | 香川県 | 高松港からフェリーで約1時間 | 3〜6万円 | 少なめ |
| 直島 | 香川県 | 高松港からフェリーで約1時間 | 3〜6万円 | アート好きが多いがキャパ小 |
| 淡路島 | 兵庫県 | 神戸から車で約30分 | 3〜7万円 | 北部はやや混む |
| 由布院 | 大分県 | 博多から特急で約2時間 | 4〜8万円 | メイン通り以外は静か |
| 天草 | 熊本県 | 熊本市内から車で約2時間 | 3〜6万円 | 少なめ |
混雑度は5段階で言えば、ほとんどが1〜2。有名観光地の「もう二度と来たくない」レベルの混雑とは無縁の場所ばかりです。
1. 小豆島(香川県)|フェリーに乗った瞬間、旅のスイッチが入る
わたしたちがGW穴場のいちばんに小豆島を挙げるのは、「行くまでの過程」がすでに楽しいから。
高松港からフェリーに乗り込む。デッキに出ると、潮風がふわっと顔にあたる。瀬戸内の島々が遠くに浮かんで、カモメが並走してくる。夫が「まだ着いてないのに、もう楽しい」とつぶやいた。約1時間の船旅が、非日常への切り替えスイッチになる。
エンジェルロードは干潮のタイミングが勝負
小豆島で最初に向かったのは、エンジェルロード。潮が引くと海の中から砂の道が現れて、向かいの小さな島まで歩いて渡れる。ロマンチックな響きだけど、実際に行くとちょっとワイルドな道のり。
わたしたちが着いた時は、ちょうど干潮の30分前。まだ砂の道がうっすら水に浸かっていて、少しずつ地面が見えてくる様子は不思議な感覚だった。「おお、出てきた出てきた」と夫がはしゃいでいた。
ひとつ注意したいのは、干潮の時間を事前に確認しておくこと。わたしたちは小豆島観光協会のサイトで潮見表をチェックしてから行った。タイミングを逃すと、ただの海を眺めるだけになってしまう。
醤油蔵通りで時間がとまる
小豆島は日本有数の醤油の産地。醤の郷(ひしおのさと)と呼ばれるエリアには、明治時代から続く醤油蔵が並んでいる。黒い板壁の建物が続く通りを歩くと、ほんのり甘い醤油の香りが漂ってくる。
蔵のひとつでテイスティングをした。同じ醤油でも、蔵によって味がまったくちがう。夫は「醤油ってこんなにフルーティーになるの」と驚いていた。お土産に3本買って帰ったけど、あっという間になくなった。
オリーブ公園で地中海気分
小豆島はオリーブ栽培発祥の地。オリーブ公園に行くと、見渡す限りオリーブの木が広がっていて、ギリシャ風の白い風車もある。瀬戸内の海をバックに、ちょっとだけ地中海にいる気分。
GWの時期はオリーブの新芽が出はじめるころ。若い緑が太陽に透けて、とてもきれいだった。園内のカフェでオリーブソフトクリームを食べた。ほんのりハーブのような風味で、さっぱりしていて美味しかった。
小豆島の気になったところ
ひとつだけ気になったのは、島内の移動手段。レンタカーがないと観光スポット間の移動がかなり不便。路線バスはあるけれど、本数が少ない。わたしたちはフェリーターミナルでレンタカーを借りたので快適だったけど、GW直前だと予約が埋まることもあるらしい。早めの手配をおすすめしたい。
アクセス:高松港からフェリーで約60分(土庄港着)。岡山の新岡山港、姫路港からもフェリーあり。
予算目安:1泊2日でふたり3〜6万円(宿のグレードによる)
GW混雑度:本土の有名観光地に比べるとかなり少なめ。フェリーの予約だけ早めに。
わたしたちはじゃらんで宿を予約しました。小豆島は小さな旅館からリゾートホテルまで選択肢が幅広いので、比較してみてください。
2. 天草(熊本県)|野生のイルカと、忘れられない海鮮丼
天草は、行くまで正直ノーマークだった。「熊本の離島でしょ?」くらいの認識。でも実際に行ってみたら、想像をはるかに超えていた。
熊本市内から車で約2時間。天草五橋という5つの橋を渡っていくのだけど、この橋からの眺めがもう絶景。エメラルドグリーンの海に小さな島が点在していて、「ここ日本?」と思わず声が出た。
イルカウォッチングは本当に会える
天草の目玉は、なんといってもイルカウォッチング。天草の海には約200頭の野生のバンドウイルカが生息していて、遭遇率は90%以上と言われている。
船に乗って20分ほど沖に出ると、あちこちで背びれが見えはじめた。「あ、いた!」「こっちにも!」とふたりで大騒ぎ。船のすぐ横をイルカが泳いでいく。ジャンプする姿も見られて、夫は動画を撮るのに必死だった。
水族館のショーとはまったくちがう。自由に泳ぎ回るイルカを、ただ見守る。その感覚がとても良かった。
海鮮のレベルがおかしい
天草は海に囲まれているだけあって、海鮮のクオリティが高い。港の近くの食堂で食べた海鮮丼は、ネタが厚くてぷりぷり。特に天草産の車エビが甘くて、箸が止まらなかった。
夫は刺身定食を頼んでいたけど、途中からわたしの海鮮丼をうらやましそうに見ていた。「ひと口ちょうだい」が3回くらいあった。次は夫も海鮮丼にすると思う。
教会めぐりで静かな時間を
天草はキリシタンの歴史が残る場所でもある。大江天主堂や崎津天主堂は、静かな漁村にぽつんと建っていて、独特の空気感がある。観光客は少なくて、ゆっくりと建物を眺められた。
崎津天主堂のそばにある小さなカフェで、地元のおばあちゃんが淹れてくれたコーヒーを飲んだ。窓の外には漁港。こういう時間が、天草の魅力だと思う。
天草の気になったところ
気になったのは、アクセスに時間がかかること。熊本市内から車で約2時間、公共交通機関だとさらにかかる。レンタカーはほぼ必須。ただ、そのぶん観光客が分散されていて、GWでも混雑はほとんど感じなかった。遠いからこそ穴場、と思えばむしろメリットかもしれない。
アクセス:熊本市内から車で約2時間(天草五橋経由)。天草空港へは福岡・熊本から小型機あり。
予算目安:1泊2日でふたり3〜6万円
GW混雑度:かなり少なめ。イルカウォッチング船の予約だけ早めに。
3. 奥入瀬渓流(青森県)|新緑のトンネルを歩く、贅沢な時間
奥入瀬渓流を歩いたのは、GWの後半だった。新緑が渓流の上をおおうように広がっていて、まるで緑のトンネルの中を歩いているような感覚。
全長約14kmの渓流沿いに遊歩道が整備されていて、自分のペースで歩ける。わたしたちは石ヶ戸から子ノ口まで、約3時間かけてゆっくり歩いた。途中でベンチに座って、おにぎりを食べた。川のせせらぎをBGMにするおにぎりは、なぜかいつもより美味しい。
滝のオンパレードに圧倒される
奥入瀬渓流のすごいところは、滝の数。銚子大滝、雲井の滝、九段の滝と、歩いていると次から次へと滝が現れる。「また滝だ」と夫が笑っていたけど、どの滝も表情がちがう。
特に印象的だったのは阿修羅の流れ。苔むした岩の間を白い水がうねるように流れていて、何枚も写真を撮った。しぶきがかすかに顔にかかって、ひんやりして気持ちいい。
朝イチの渓流が最高
宿泊した翌朝、夫が早起きして「朝の渓流を見に行こう」と言い出した。正直、眠かったけどついて行って正解だった。朝もやの中の渓流は、昼間とはまったくちがう雰囲気。静けさの中に水の音だけが響いて、神秘的だった。
GW中だったけど、朝7時台は人がほとんどいなかった。この時間帯を狙えるのは、近くに泊まった人だけの特権だと思う。
奥入瀬渓流の気になったところ
気になったのは、GW時期の気温。5月上旬でも奥入瀬は標高が高いので、朝晩はかなり冷える。わたしたちは薄手のダウンを持っていったけど、それでちょうどよかった。「この時期でこんなに寒いの?」と驚くかもしれない。防寒着は多めに持っていくのがおすすめ。
アクセス:東京から東北新幹線で八戸駅まで約3時間、そこからバスで約1.5時間。車の場合は東北道十和田ICから約1時間。
予算目安:1泊2日でふたり4〜7万円
GW混雑度:少なめ。紅葉シーズンに比べるとかなり空いている。
わたしたちは一休.comで渓流沿いの宿を予約しました。奥入瀬は宿が少ないので、早めの予約がおすすめです。
4. 角館(秋田県)|みちのくの小京都で、桜の余韻に浸る
角館に着いた瞬間、「小京都」の意味がわかった。黒い板塀が続く武家屋敷通りに、しだれ桜がふわりと垂れている。風が吹くたびに、花びらがはらはらと舞う。映画のワンシーンみたいだった。
GWの角館は、桜の見ごろにぴったり重なることが多い。東北の桜は関東より2週間ほど遅いので、「今年は桜を見逃した」というふたりにもチャンスがある。
武家屋敷通りをのんびり歩く
角館の武家屋敷通りは約400メートル。京都のように広大なエリアを歩き回る必要がなくて、コンパクトにまとまっている。わたしたちは2時間くらいかけて、ゆっくりと屋敷を見学した。
石黒家、青柳家など、いくつかの武家屋敷は中に入れる。庭が美しく手入れされていて、縁側に座ってぼんやりする時間が心地よかった。夫は「ここに住みたい」と本気で言っていた。
檜木内川堤のソメイヨシノ並木
武家屋敷通りのしだれ桜も見事だけど、わたしたちが感動したのは檜木内川堤のソメイヨシノ。約2kmにわたって桜並木が続いていて、川沿いをのんびり歩ける。
GWの時期は、散り始めの桜が川面に浮かんで、花筏(はないかだ)になっていた。ピンクの花びらがゆっくり流れていく様子を、ふたりでしばらく眺めていた。こういう静かな楽しみ方ができるのが、角館のいいところ。
稲庭うどんは外せない
角館に来たら、稲庭うどんは食べておきたい。細くてつるつるで、のどごしがいい。わたしたちは武家屋敷通り近くのお店で、冷たいざるうどんを頼んだ。
一口すすった瞬間、「あ、これは」と声が出た。コシがあるのにやわらかい、不思議な食感。夫は大盛りを頼んで、さらにもう一枚追加していた。
角館の気になったところ
GWの角館は、桜の見ごろと重なるぶん、武家屋敷通り周辺はそれなりに人が多い。ただ、京都の嵐山のような「身動きが取れない」レベルではない。朝9時前か16時以降に行くと、かなりゆったり歩ける。あとは、飲食店の数がそこまで多くないので、ランチの時間帯は混むことがある。
アクセス:東京から秋田新幹線「こまち」で角館駅まで約3時間。駅から武家屋敷通りまで徒歩20分。
予算目安:1泊2日でふたり3〜6万円
GW混雑度:桜の時期はやや多いが、京都・鎌倉に比べればずっと快適。
5. 直島(香川県)|アートと瀬戸内の海が溶け合う島
直島に降り立つと、まず目に飛び込んでくるのが草間彌生の赤かぼちゃ。宮浦港のフェリーターミナルを出てすぐ、鮮やかな赤い水玉模様のかぼちゃがどんと置いてある。
「わあ、本物だ」とわたしが言うと、夫は「思ったより大きいね」と冷静だった。でも結局、あちこちの角度から10枚くらい写真を撮っていた。
地中美術館で息をのむ
直島で絶対に行ってほしいのが地中美術館。安藤忠雄が設計した建物自体がアート作品で、名前のとおり地中に埋まっている。自然光だけで照らされた空間に、モネの睡蓮が展示されている。
部屋に入った瞬間、しばらく動けなかった。白い空間にモネの絵が浮かび上がっていて、まるで絵の中に入り込んだような感覚。夫も無言で見入っていた。ふだんは美術館で10分もたない人なのに。
ジェームズ・タレルの光のインスタレーションも強烈だった。暗い部屋に目が慣れてくると、光が形を持って見えてくる。「これ、ずっと見ていられる」と夫がつぶやいた。
ベネッセハウスに泊まる贅沢
直島に泊まるなら、ベネッセハウスは候補に入れてほしい。美術館とホテルが一体になっていて、宿泊者だけが夜のアートを独り占めできる。朝起きて、窓の外に瀬戸内の海が広がっている。贅沢な目覚め。
夕食後、ふたりでテラスに出て夜の海を眺めた。波の音だけが聞こえる静かな時間。「また来たいね」と自然に言葉が出た。
家プロジェクトで集落を歩く
本村エリアの家プロジェクトも面白かった。古い民家をアーティストが作品に仕立てていて、集落を歩きながらアートに出会う。生活空間と作品の境界があいまいで、不思議な感覚。
南寺という作品は、真っ暗な空間にしばらく身を置く体験型の作品。最初は何も見えなくて不安になるけど、だんだん光が見えてくる。夫の手をぎゅっと握ってしまった。
直島の気になったところ
気になったのは、島のキャパシティの小ささ。地中美術館はオンライン予約制で、GW中は2週間前でも埋まっていた。わたしたちは3週間前に予約して、なんとか確保できた。行くことが決まったら、美術館の予約は最優先で。あと、島内の飲食店は少ないので、昼食の選択肢が限られる。
アクセス:高松港からフェリーで約50分、宇野港(岡山県)からフェリーで約20分。
予算目安:1泊2日でふたり3〜6万円(ベネッセハウスなら8万円〜)
GW混雑度:日帰り客で日中はやや混むが、宿泊者は静かな島を楽しめる。
6. 四万温泉(群馬県)|千と千尋の世界に迷い込む温泉街
四万温泉に着いた時、最初に思ったのは「本当にここ、関東?」ということ。東京から車で約3時間。山あいの狭い道を進んでいくと、突然レトロな温泉街が現れる。
四万川の水が信じられないくらい青い。「四万ブルー」と呼ばれているらしいけど、写真で見るよりずっときれいだった。透き通った青緑色に、ふたりで見入ってしまった。
積善館の佇まいに息をのむ
四万温泉のシンボルといえば、積善館。元禄4年(1691年)創業の、現存する日本最古の木造湯宿建築。赤い欄干の慶雲橋と古い木造建築の組み合わせは、『千と千尋の神隠し』のモデルのひとつとも言われている。
夕暮れ時に訪れたら、灯りがともった積善館が暗くなりはじめた空に浮かび上がっていて、本当にジブリの世界だった。夫が「千尋、出てきそう」と言うので笑ったけど、わかる。その気持ち。
湯めぐりでゆるゆる過ごす
四万温泉の泉質はナトリウム・カルシウム塩化物硫酸塩泉。やわらかいお湯で、肌がすべすべになる。温泉街には共同浴場もいくつかあって、湯めぐりが楽しい。
わたしたちは宿のお風呂に加えて、共同浴場の「河原の湯」にも入った。川沿いの小さな湯小屋で、窓から見える新緑がきれいだった。夫は1時間近く出てこなかった。よっぽど気に入ったらしい。
四万川ダムの四万ブルー
温泉街から車で少し上がると、四万川ダムがある。ダム湖の色が本当に鮮やかなコバルトブルーで、思わず「うわ」と声が出た。GWの時期は周囲の木々が新緑で、青と緑のコントラストが美しかった。
ダムの上を歩けるので、端から端まで往復した。風が気持ちよくて、ぼーっとするのに最高の場所。
四万温泉の気になったところ
気になったのは、夜の食事の選択肢が少ないこと。温泉街に飲食店はあるけれど、夜営業のお店が限られている。わたしたちは宿の夕食付きプランにしたので問題なかったけど、素泊まりの場合は事前にチェックしておいたほうがいい。あと、携帯の電波がやや弱い場所がある。逆に言えば、デジタルデトックスにはぴったり。
アクセス:関越道渋川伊香保ICから車で約55分。JR中之条駅からバスで約40分。
予算目安:1泊2日でふたり3〜6万円
GW混雑度:少なめ。草津や伊香保に比べるとかなり静か。
わたしたちは楽天トラベルで宿を予約しました。四万温泉は小規模な旅館が多いので、じゃらんや一休.comでも比較してみてください。
7. 松本・上高地エリア(長野県)|城下町と北アルプスの贅沢な組み合わせ
松本と上高地をセットで回ったのは大正解だった。初日は松本城下町をのんびり散策して、翌日は上高地へ。都市と大自然の両方を楽しめる。
松本の城下町がちょうどいい
松本城は国宝5城のひとつ。黒い外壁と北アルプスの残雪のコントラストが美しくて、何枚も写真を撮った。GW中でも、京都や鎌倉の混雑に比べたら、ずいぶんゆったり見学できた。
松本城のあとは、中町通りや縄手通りを散策。蔵造りの建物が並ぶ通りに、おしゃれなカフェや雑貨屋が入っている。わたしは民芸品のお店でかわいい器を見つけて、ふたつ買ってしまった。夫は老舗のそば屋で二枚目を頼んでいた。
上高地は開山直後が狙い目
上高地は例年4月中旬に開山する。GWは開山直後のタイミングで、残雪の穂高連峰が間近に見える贅沢な季節。
河童橋から見上げた穂高連峰の迫力はすごかった。雪をかぶった山々が、真っ青な空にくっきりと浮かんでいる。梓川の水は驚くほど透明で、川底の石がはっきり見える。夫が「写真じゃ伝わらない」と何度も言っていた。本当にそう思う。
大正池から河童橋までの約3.5kmを歩いた。立ち枯れの木が水面から突き出ている大正池の風景は、どこか幻想的。朝もやの時間帯なら、もっとすごかったかもしれない。
マイカー規制を知っておく
上高地は通年マイカー規制で、一般車は入れない。沢渡(さわんど)駐車場か平湯の駐車場に車をとめて、シャトルバスかタクシーに乗り換える。わたしたちは沢渡からバスに乗ったけど、GW中は始発のバスから混む。1本早い便を狙ったほうがいい。
松本・上高地の気になったところ
上高地はGW中でもかなり寒い。標高約1,500mなので、平地より10度近く気温が低い。わたしたちは4月下旬に行ったけど、朝は5度くらいだった。フリースやダウンは必須。あと、上高地内には売店やレストランがあるけど、GW中は混むので、軽食を持っていくと安心。
アクセス:東京から松本まで特急あずさで約2.5時間。松本から上高地まではバスで約1.5時間(沢渡経由)。
予算目安:1泊2日でふたり4〜7万円
GW混雑度:松本市内は少なめ。上高地は人気が高いが、早朝なら快適。
8. 伊勢志摩・賢島(三重県)|海辺のリゾートで何もしない贅沢
伊勢志摩は「伊勢神宮」のイメージが強いかもしれない。でもわたしたちがおすすめしたいのは、そこからさらに先の賢島(かしこじま)エリア。英虞湾のリアス式海岸に囲まれた、静かなリゾート地。
近鉄特急に乗って、大阪から約2時間。賢島駅に降り立つと、潮の香りがした。「あ、海だ」と思った瞬間から、気持ちがふわっとゆるむ。
英虞湾の夕景がすごい
賢島の周辺には、英虞湾を見渡せる展望台がいくつかある。わたしたちが行った横山展望台からの眺めは、言葉をなくすレベルだった。複雑に入り組んだリアス式海岸に、真珠養殖の筏が浮かんでいる。夕日が沈む時間帯は、海面がオレンジ色に染まって、本当にきれい。
夫が「ここ、ずっと見てられるな」と言って、30分くらいベンチに座っていた。わたしもスマホをしまって、ただ景色を眺めていた。こういう時間がいちばん贅沢。
海鮮は伊勢海老と的矢かき
志摩の海鮮は、伊勢海老が有名。GWの時期はシーズン的にはギリギリだけど、まだ食べられるお店が多い。わたしたちは宿の夕食で伊勢海老のお造りを食べた。身がぷりぷりで甘くて、夫が「幸せ」と一言だけ言った。
的矢(まとや)かきも美味しかった。生で食べても濃厚で、磯の香りがふわっと広がる。ふたりで「おかわりしたい」と顔を見合わせた。
伊勢志摩の気になったところ
気になったのは、賢島エリアは車がないと動きにくいこと。駅周辺にはお店がほとんどなくて、宿とセットで楽しむスタイルになる。わたしたちは宿でのんびり過ごすのが目的だったので問題なかったけど、アクティブに動き回りたい人は、レンタカーを手配したほうがいい。
アクセス:大阪から近鉄特急で賢島駅まで約2時間。名古屋からも近鉄特急で約2時間。
予算目安:1泊2日でふたり4〜8万円(リゾートホテルなら8万円〜)
GW混雑度:伊勢神宮周辺は混むが、賢島エリアは静か。
わたしたちは一休.comでリゾートホテルを予約しました。志摩エリアは高級宿からカジュアルな宿まであるので、予算に合わせて選べます。
9. 由布院(大分県)|温泉と街歩きのバランスが絶妙
由布院は「穴場」とは言いにくいかもしれない。知名度はある。でもGWの由布院は、実は結構ねらい目。紅葉や冬の時期に比べると観光客が少なくて、新緑の季節の由布院はとても気持ちいい。
博多から特急「ゆふいんの森」に乗って約2時間。由布院駅に着くと、目の前に由布岳がどんと構えている。その存在感がすごい。
湯の坪街道は午前中が勝ち
由布院のメインストリート、湯の坪街道。おしゃれなカフェ、雑貨屋、食べ歩きのお店が並んでいる。日中は人が多いけど、午前10時前はかなり空いている。
わたしたちは朝9時ごろに歩いた。開店したばかりのお店をのんびり覗きながら、コロッケを買い食い。夫はクリームチーズのお店で試食を3回していた。気に入ったらしく、お土産用に4つ買っていた。
金鱗湖の朝霧を見に行く
由布院で最も印象的だったのは、金鱗湖の朝霧。湖底から温泉が湧いていて、冷たい外気との温度差で朝もやが立ちのぼる。幻想的な風景を見られるのは、早朝だけ。
夫に「朝6時に起きて」と頼んだら、嫌な顔をされた。でも実際に金鱗湖に着いて朝霧を見た瞬間、「起きてよかった」と即答。湖面からもやがゆらゆらと立ちのぼる景色は、写真ではなかなか伝わらない美しさだった。
温泉は露天風呂付き客室がおすすめ
由布院は温泉の泉質がいい。肌にやさしいアルカリ性単純温泉で、とろりとした湯ざわり。わたしたちは露天風呂付きの客室を選んだ。由布岳を眺めながら、好きな時間に好きなだけ温泉に入れる。チェックアウトぎりぎりまで3回入った。
由布院の気になったところ
気になったのは、湯の坪街道の日中の混雑。GWでも午後は人が増える。あと、由布院は宿の値段にかなり幅があって、人気の宿は2か月前でも埋まっていることがある。早めの予約は必須。もうひとつ、由布院駅周辺にはコンビニが少ないので、必要なものは途中で買っておくといい。
アクセス:博多から特急「ゆふいんの森」で約2時間。大分空港からバスで約55分。車の場合は大分道由布院ICから約10分。
予算目安:1泊2日でふたり4〜8万円(露天風呂付き客室なら6万円〜)
GW混雑度:メインストリートは日中やや混むが、早朝・夕方は静か。
わたしたちはじゃらんで予約しました。由布院は宿のバリエーションが豊富なので、楽天トラベルや一休.comでも比較してみてください。
10. 淡路島(兵庫県)|関西からすぐなのに、ちゃんと旅気分
淡路島は、関西からのアクセスが抜群にいい。神戸から明石海峡大橋を渡って約30分。「こんなに近いのに、こんなに旅感がある場所って珍しい」と夫が言っていたけど、まさにそのとおり。
橋を渡る時、左手に瀬戸内海が広がる。対岸に淡路島が見えてきた瞬間、「着いた!」というワクワク感がある。たった30分なのに。
淡路島の食のレベルが高い
淡路島で驚いたのは、食のクオリティ。淡路島たまねぎは有名だけど、それだけじゃない。生しらす、淡路ビーフ、鯛、タコ。食材の宝庫。
わたしたちがいちばん感動したのは、生しらす丼。獲れたてのしらすが透き通っていて、プチプチとした食感。レモンをさっとかけて醤油で食べると、もう最高。夫は「これを食べるためだけに来る価値ある」と断言していた。
夕食は淡路ビーフのステーキ。脂がしつこくなくて、赤身の旨味がしっかりある。正直、有名なブランド牛に負けてないと思う。
花と海の絶景ドライブ
GWの淡路島は、花の季節。あわじ花さじきという公園では、菜の花やポピーが丘一面に咲いていて、その向こうに海が見える。開放感がすごい。
島の西海岸をドライブすると、サンセットラインと呼ばれる道に出る。名前のとおり、夕日が沈む方角を走る道。窓を開けて、潮風を感じながらのドライブは最高に気持ちよかった。
南部まで足を延ばすと穴場度アップ
淡路島の北部(淡路IC周辺)はGW中やや混むけど、南部まで足を延ばすとぐっと静かになる。うずしおクルーズで鳴門海峡のうずしおを見たり、福良港で新鮮な魚を食べたり。観光客が少なくて、のんびりした空気が流れている。
淡路島の気になったところ
気になったのは、GW中の明石海峡大橋の渋滞。特に帰りの日曜夕方は覚悟が必要。わたしたちは月曜に帰るスケジュールにしたので、渋滞はほぼなかった。あと、島内の移動はレンタカーが必須。公共交通機関だけで回るのはかなり厳しい。
アクセス:神戸から明石海峡大橋経由で車約30分。高速バスで淡路ICまで約1時間。
予算目安:1泊2日でふたり3〜7万円
GW混雑度:北部はやや混む。南部は少なめ。
穴場の探し方|わたしたちが実践している3つのコツ
GWの穴場を探すのは、実はそこまで難しくない。わたしたちが意識しているのは、たった3つのこと。
コツ1:「フェリーか橋を渡る場所」を選ぶ
島や半島は、アクセスにひと手間かかるぶん、人が少ない。小豆島、直島、天草、淡路島。今回の10選のうち4つが「水を渡る場所」なのは偶然じゃない。
フェリーに乗る時間が、旅のスイッチを入れてくれる効果もある。車でサッと行ける場所より、ちょっとだけ手間がかかる場所のほうが、不思議と旅の満足度が高い。
コツ2:「有名観光地の隣」を狙う
人は有名な場所に集中する。だから、その「隣」が空く。伊勢志摩で言えば、伊勢神宮は混むけど賢島は静か。由布院で言えば、湯の坪街道は混むけど早朝の金鱗湖は貸し切り状態。
角館も、桜といえば京都や吉野に人が集まるから、東北の桜は意外と穴場。「みんなが行く場所の少し先」に、いい場所がある。
コツ3:「時間をずらす」だけで穴場になる
同じ場所でも、時間帯で混雑度はまったくちがう。奥入瀬渓流の朝7時。由布院の金鱗湖の朝6時。上高地の始発バス。どれも、少し早起きするだけで人がいない景色に出会える。
わたしたちはGWの旅で「朝型スケジュール」を徹底している。6時起き、7時出発、午前中に主要スポットを回る。午後はのんびり宿で過ごす。これだけで、混雑ストレスが激減する。
GW穴場旅行の予約タイミング
穴場とはいえ、GWは宿の予約が早く埋まる。わたしたちの体感では、こんなスケジュール感。
2か月前(3月上旬)
人気の宿は、この時期にはもう埋まりはじめている。特に直島のベネッセハウス、由布院の露天風呂付き客室、奥入瀬渓流沿いの宿は早い。「ここに泊まりたい」という宿があるなら、2か月前には押さえたい。
1か月前(4月上旬)
まだ選択肢は残っているけど、いい部屋から埋まっていく時期。予約サイトをこまめにチェックして、キャンセルが出たらすかさず押さえる。わたしたちはこの時期に「とりあえず押さえておく」ことが多い。
2週間前(4月中旬)
正直、このタイミングだと選択肢がかなり限られる。でもキャンセルが出るタイミングでもあるので、諦めずにチェックする価値はある。わたしたちも、直前のキャンセルで奇跡的にいい宿が取れたことがある。
予約サイトは複数チェックするのがおすすめ。一休.com、じゃらん、楽天トラベルで同じ宿でもプランや特典がちがうことがある。わたしたちはいつも3サイトを見比べてから決めている。
10か所の比較表|あなたに合う穴場はどれ?
最後に、10か所の特徴をまとめて比較。旅のスタイルに合わせて選んでみてください。
| スポット | おすすめタイプ | ベストな過ごし方 | GW混雑度 | 予算(1泊2日・ふたり) |
|---|---|---|---|---|
| 小豆島 | ドライブ好き・島旅好き | レンタカーで島一周 | 少なめ | 3〜6万円 |
| 天草 | 自然体験・海鮮好き | イルカ+海鮮+教会めぐり | 少なめ | 3〜6万円 |
| 奥入瀬渓流 | 自然・ウォーキング好き | 渓流沿いの散策 | 少なめ | 4〜7万円 |
| 角館 | 桜・歴史好き | 武家屋敷+桜+稲庭うどん | やや多い | 3〜6万円 |
| 直島 | アート好き | 美術館+家プロジェクト | やや多い | 3〜8万円 |
| 四万温泉 | 温泉・レトロ好き | 湯めぐり+四万ブルー | 少なめ | 3〜6万円 |
| 松本・上高地 | 山好き・城下町好き | 城下町散策+渓谷トレッキング | 上高地はやや多い | 4〜7万円 |
| 伊勢志摩・賢島 | リゾート好き・海鮮好き | リゾートでのんびり | 賢島は少なめ | 4〜8万円 |
| 由布院 | 温泉・街歩き好き | 温泉+金鱗湖+食べ歩き | メイン通りはやや多い | 4〜8万円 |
| 淡路島 | 食好き・ドライブ好き | グルメ+花畑+夕日ドライブ | 北部はやや多い | 3〜7万円 |
個人的な推しを聞かれたら、「初めての穴場旅」には小豆島か四万温泉をおすすめしたい。どちらもアクセスしやすくて、満足度が高い。「ちょっと冒険したい」なら天草か奥入瀬渓流。遠いぶん、旅の充実感がすごい。
まとめ|GWは「穴場」で正解だった
去年の夫の宣言どおり、今年のGWは穴場だけで過ごした。結果、大正解だった。
有名観光地で2時間並んでいた去年とはまるで別世界。朝の奥入瀬渓流を貸し切りで歩いて、小豆島のフェリーでぼんやり海を眺めて、四万温泉の湯船に何度も浸かった。「旅ってこうだよね」と思い出させてくれた。
穴場といっても、つまらない場所というわけじゃない。むしろ、人が少ないからこそ見える景色がある。静けさの中で聞こえる水の音、夫婦ふたりだけの時間、地元の人との何気ないやりとり。そういう小さな幸せが、穴場旅にはたくさん詰まっている。
帰りの車の中で、夫が「来年のGWも穴場な」と言った。もう宣言ではなく、当たり前のこととして。わたしもまったく同感。
GWの行き先に迷っているふたりに、このリストが少しでも参考になったらうれしいです。混雑を避けて、のんびり、ふたりだけの時間を楽しんでください。
この記事で紹介した宿は、一休.com・じゃらん・楽天トラベルで検索できます。GWの予約は早い者勝ちなので、気になった場所があれば、まずは空室チェックだけでもしてみてください。

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